絆のない社会・・・無縁社会への批判とは・・・・

昨日、一昨日、NHKの表題のテーマの討論会を少しばかり視聴した。何故少しばかりか・・・・私達世代の人間、なかんずく男性には、これほど馬鹿げた討論はないとの印象があるからである。

>初日は、母の介護が始まったcareer・woman的な女性が、母の介護で、友人達の関係が疎遠になり、その寂しさを補う為に、パソコンの前で麦酒のjugを一人傾けながら、その呼びかけに応じてくれる人々・Net・mania・と会話をする光景だった。私は、これを否定するものではない。しかし、narrationは、これを否定的に捉えるものだった・・・・つまり、現代は、これほど寂しい、うらぶれた社会なのだと・・・・そうだろうか、かつての社会・戦前、戦後の間もない頃・に帰れば解決する光景なのだろうか・・・・白亜のapartment house・2,3DK・に感激した若い世代は、その時に悲劇への道を歩み始めたのか、あるいは選択したのか・・・。また、大家族制度の崩壊が、特に農村の嫁の解放にどれほどまでの貢献を残したか・・・現代の「道の駅」も、家の柵から解放された農村の嫁の働きが、その前身にあることを忘れてはならないだろう。

その嫁の苦しさは、「農村歌人」の歌の中に沢山残されている・・・最近は見向きもされないが・・・し、休耕中の畑に華を造り、近郷の都市で販売する・・・日本国中に「花屋」が溢れる嚆矢になったのではなかったか・・・勿論、技術が後追いし、その痕跡を探るのは難しくなっている。私の住む福津市の「あんずの里」なる、産地直売所も、その嚆矢のひとつであり、最近は、其処まで出かけなくても、近くに出来た直売所を梯子するが・・・・農村で、「家」のしがらみから、抜け出した農村の嫁の努力を、今、この番組で不平、不満を言うだけの若者がしているのか・・・・所詮、負け犬の呟きでしかないのではないか・・・このままの彼らに救いの手が差し伸べられたとしても、彼らの不平不満は、またその先に生れ、結局彼らは、座したまま、その生涯を終わるのではないか・・・視聴後の感想である。

そもそも「絆」とは、他人が作ってくれるものではない。赤子(あかご)でも、誕生前から、母親との絆を求めて身体を動かす、生れれば表情を動かす。その時、決して母親の憎しみを煽る様な表情はしない。そして、成長の段階でも、良きにつけ悪しきにつけ、そこに生れる表情・動作は・感情は、「絆」を強めようとの努力なのである。
しかし、反面で、子供から人間に成長するのは人間(子供)の宿命である。何故なら、生物的・原則的には親は、子供に先立つものである。つまり、子供は、大人に・親にならなければならない。子供の生存条件と大人の生存条件・・・そこに、親子の葛藤が生れ、親の生成している社会・世間との葛藤生まれる・・・・親・兄弟との絆は細くなる・環境が変わるのである。

そこに要求されるのは、親兄弟と培ってきた絆の発展でなければならないが、そこには恐怖も存在する。首をひっこめれば、当然、絆が見える事すらない・・・孤独が生れるのである。「縁(えにし)」も同様・・・良縁、悪縁・・・両方あいまって「縁」なのだが、子育て中の親は、子供の廻りの「悪縁」を極力排除しようとする。しかし、その「悪縁」の中に、大切な、重要な「縁」が存在する事に親は瞑目する。しかし、全ての「悪縁」を排除された子供が大人になる為には、「悪縁」探しが、その前段になければならないが、それは親の許すことにはならないから、「親との断絶」を余儀なくされる。「親を踏み付けよ。親を殺せ・・・」とは、ある宗教者、哲学者の箴言としてあるが、それをそのまま実行したのでは、それは犯罪である。しかし、その判別には、それなりの時間を要する・・・子供が子供なりに、その成長過程の「学ぶ」姿勢が要求されるのである・・・これとて、人間が社会を成し、維持しなければ生きていけない宿命でもあるだろう。

高学歴社会・・・しかし、高学歴とは、政治・経済は言に及ばず、企業にかんしても、夫々が、採用するに足る成人の源泉を期待するものである。また、大人への成長のmoratoriumでもある。大学のcampusの中で、仲間としか交際せず、社会・世間のsystemの理解のままに数年間を過ごし、殆ど無知のままに俄か勉強で社会に企業に受け入れてもらおうと云う魂胆が卑しい。せめて「臥薪嘗胆」の気力を見せるくらいの迫力が必要だろう・・・・つまり、3年間は無給で働かせて下さい・・・勿論、その間の生活は、自ら準備して・・・と云う位の迫力である。「採用されなかったら、私は飢え死にします・・・・」等の泣き言に耳を傾ける企業かも、政治家も、存在する方が異常である。

今朝の分別収集にも、3,4歳の子供が父親に手ほどきを受けながら、stationに廃物を分別する。私の、最も嬉しい瞬間である。抗して大人の社会に馴染みながら成長する・・・30年後が楽しみだね・・・素晴らしい日本の誕生の原動力だね・・・同僚と語り合ったことだった・・・。大学教育を受けながら、「過去」、「現在」、「未来」への思考が全くない・・・・この討論会に雁首を並べた面々・・・苦しみながら生涯を終えれば、最後の瞬間に悟ることがあるかも知れない。悟れば、最高の人生だったことになる。