「知恵袋」で答えを知る事の出来る様な問題を、入試の問題にしてはならない・・・・

今朝のTBS・サンデーモーニングの中の、藻谷浩介のcommentである。私も、思わず・・・「そうだ!」と叫んだ。まさに、日本の大学入試の・・・入試を行うことの愚行を指摘して余りあると、私は思う。言うなれば、予備校産業を助ける為の「大学入試・問題」なのである。


もし、大学で学び、研究者への道に必要な人材を求めるのなら、もっと基礎的な、予備校に学ぶ必要としない様な、基本的な知識を問うべきなのだと思う。そして、一定Levelをclearしたものは、全員入学を許す。定員をoverして支障が出るなら、籤引き入学でも良し、あるいは面接で合否を決めればよい。はたまた、新たな「論文」を書かせるという手段もあるだろう。大学の理念に適した学生が欲しいのなら、それなりの内容の論文を求めればよいのではないか・・・・。なにも高等算数の様な問題を解かせる必要はないだろうし、「英訳」に至っては全くのnonsense・・・・課題についての英作文を求めれば済むことではないか。それでは、採点に苦労するなら、そもそも大学の存在する教授の資格が怪しいと判断すべきだろう。


好景気の時は、就活が優しい。企業も余裕があるから、捨て代を含めて採用するからである。その後に不況が訪れれば適当に捨てられているのが実情であろう。景気が悪くなれば、就活は厳しい・・・何故なら、企業は少数の精鋭を、限定して採用するからである。それでも、中小企業が人材を求めるのは、大企業志望者よりもlevelが下がっても、業務の中での頑張りで、一流企業の一流人財に学ぶことを期待しているからである。人は、必ず学ぶ・・・私の出会った中小企業の幹部の方々の信念だった・・・が、大企業の社員は、業務が細分されるだけに分かり難いものがある。結局、中小企業の社員は、再分化された大企業の面々から学び、己の中で集大成して、一つの力にしているのである。


おそらく、彼らには、大学で学んだことは、何の役にも立っていないはずである。ただ、働く意欲と意志が、高卒よりも4年分だけ硬い・・・それを期待しているだけなのだが、それが分かる頃には定年を迎える。


私も工業高校で学んだ一人。そして現場で、その知識の一端が役に立ちそうになった時、其処には公式や、難しい知識を暗記する必要のないことを知った。係数はtableがあり、公式は、何時でも参照できる資料が存在した・・・何が必要か・・・それだすら、先輩が教えてくれる・・・また教えてくれるものを学ばないととんでもない失態を招く・・・必要なのは、現場の実態に即した計算をし、発想をし、工夫をすることである。現場に即した「答え」は現場にしかないのだし、その時、その場所にしかないものなのであり。指導している先輩、指導者すらが、初めての体験なのだから・・・・思考、工夫なきものに生きる場所はないのである。

藻谷浩介氏の指摘は、けだし名言・・・・これが、大學入試の改革に繋がることを、切に願うだけである・・・・