被災孤児たちのことは・・・・Patronよ名乗り出でよ!

戦後の孤児たちの姿が瞼に焼きつく私たち世代は、今回の東北大震災に罹災した家族の今後の大きな不安を忖度するにやぶさかではないが、それ以上に心配なのが「被災孤児」である。この国には「PATRON」と云う概念が薄い。これは、ローマ史の研究者・文学者の塩野七生さんが、その著書、「ローマの人々」の中でも触れていることだが、財をなしたもの、高い地位を得た者は、その財、地位で、優秀な子供たちを育てる、あるいは成長を援助する義務を、ローマの軍人、政治家等が、怠らなかったことの貢献が大きいと記している。

日本に存在する「億万長者」の数はAmericaに次いで、二位だという。その億万長者は得てして長寿であるという。90歳後半で亡くなる億万長者が、70歳超の息子に、その遺産を相続する。その長男も、直ぐに90歳を超え、また息子に遺産を相続する・・・その間に、彼等は遺贈された財産が減少することを恐れて、その財を経済活動に投じることはない・・・・藻谷啓介さんの論だが、その為にこの国の経済が活発にならないのだと・・・・そんな億万長者が、ここで、一発奮起・・・罹災し、天涯孤独になった子供たちのPATRONになる方策はないものか。遺贈の相続税を現在の10倍以上、あるいは100倍以上に法制化し、PATRONになった子供の数と、その内容に応じて、免税処置を講じる・・・そんな方法もあるのではないだろうか・・・・

何も、孤児たちを家庭に引き取って養育せよ・・・というのではない。しかし、貧しい「里親」に出して辛酸をなめさせることは、私は避けるべきだと思う。「家庭の温かさを・・・」と甘い言葉に甘えるべきではない。子どもたちにとって、失った家庭・家族程に温かいものはない。何もにも代えがたいもので、他人の踏み込むべき領域ではないだろう。


寧ろ、「自助努力」の可能な環境と、安心して努力の可能な「場」を与えて、そして、安心な援助をしながら、温かく見守る・・・そんなPATRONが彼らに手を差し伸べたら・・・・今回の震災の教訓が将来に生かされる契機にもなるだろう・・・災害は、今回限りではない・・・何年後か、数十年後か、数百年後か、数席後か・・・・その人智のstartをしてくれる人材として、被災地の子供たちを大事にしたい・・・貧しい私の思いである。子どもたちの今後に特化した「義捐金」のcampaignも始まるだろう。今、空き瓶貯金を始めたばかり・・・・子供たちへの温かい支援のnewsが盛んになる日を期待したい。

PATRONよ、名乗り出でよ!