川舟転覆・・・に思う。Copy

川船が転覆・・・2歳の子供と、老人の何人かが行方不明・・・痛ましいと言えば痛ましいのだが、その後のニュースで、救命衣を着用していない現実が知らされ、その理由を識るに及んで、同情の気持ちは失せた。

スポーツとしての急流下り・・・その急流に比べれば、その流れは、ものの数ではない。それは、素人の私が見てもそう思う。しかし、急流を下るボートと、参加に至る訓練と・・・等と考えれば、この川も、それなりの危険を有していることは明白である。
船とは、真っすぐに進んで安全なものである・・・最大の敵は横並だとも・・・嵐の海や湖が危険なのは、風であれ、並みであれ、船の針路を妨げ、船の安全な姿勢を妨害するからである。しかも、その真っすぐとは、立体的な「真直ぐ」でなければならない。

この川下り、安全な流れを避けて、乱流渦巻く崖に近い所を選んで航行し、船上の客を喜ばせる。船頭は恐らく、より危険なコースを選択するはずである・・・無意識に・・・何故なら、スリルを愛する客に受けたいからである。

そして、救命衣は、「暑いから・・・」との理由で、船頭が強くは勧めなかったと言う。船頭の業務怠慢だと、責任を問うmediaもあるが、見当違いもいいところ・・・備え付けてあれば、船頭に言われなくても着用すべきであろう。何故なら、「転覆」寸前の危険を楽しむ為に、川を下っているのだから・・・ボートの様な「丸っこい」船よりも、川下りの船の様に長い船が危険だと言う知識はないかもしれないが・・・なればこそ、供えられた安全具への尊厳があっても良かったろう。

宣伝用だろうか・・・川下りの愉しさは、船の上の「酒」であったり、趣向を凝らした料理であったりするらしい・・・そんな映像がある。そもそも、危険を楽しむ乗り物の上で、危険を忘れて、その危険を楽しもうという魂胆だから・・・その点からも、これに類する事故は「迷惑」としか言いようがない。あたら、2歳の命を失わしめた高齢者の軽率さ・・・これが、我々の言う・・・「可愛いものには旅をさせろ!」と言うことなのか・・・。

救命衣をつけていても、2歳児の命が救い得たか、否か・・・定かではあるまい。しかし、救う努力は可能であったはずである。その子を連れて、己たちが、どんなことを行おうとしているのか・・・
正月、連休、お盆・・・高速道路の、渋滞のクルマの車列にも、同じ事が言えるのかもしれない。つまり、大人の都合で、子供の命を危険に晒し・・・なんの頓着もなく・・・子供と同じレベルで、過ぎゆく時間を楽しんでいる大人達への警告である。

子供がかわいいのか・・・己が可愛いのか。記念写真が人生ではあるまい・・・明日、我の頭上に放射能が降れば右往左往するだろう・・・その高度は正しい。しかし、己の楽しみの理由を子供に転嫁して・・・事故に巻き込まれて命を失わしめる・・・己が、あるいは「殺人者」になっていないか・・・一度は、わが胸に聞いても良いのではないか・・・。恐ろしくてハンドルを握らない、臆病な私だから言えるのか・・・そこは、内心忸怩たるものがあるが・・・・