小沢のDNA・・・・

吉田松陰の「松下村塾」は、明治維新を貫徹する人材を生んだ・・・勿論、同じ塾に学んでも、敵味方に別れての武闘はなきにしもあらずは当然あるだろう。しかし、それに倣って松下幸之助が、国家を憂いて創設した「松下政経塾」・・・・とんでもない人物ばかりが目立つ・・・これも時代なのだろうか。

松下村塾は、半ば「牢」の中である。そこで学ぶものも、後世の事績はともかく、学びの動機は、至って純なものがあったのだと、私は思う。こんな所で学んで「藩」の重役が約束されるわけではない。寧ろ、反体制派の人間として、藩という世間からはスポイルされるだけだろう。
また、学んだのが武士だけではない・・・吉田松陰自身が、世間知らず・・・・何を学ぼうとしたのか、色々な著書が現れるが、やはり私にはわからない。つまり、学びとは、何かを目指して一直線というものではなさそうである。

その意味では、総理を目指して「松下塾」に学ぶことと、松下村塾を同列に並べること自身が、不見識と揶揄されてもいたしかたないだろう。

伊藤博文は、長州藩の草莽の士の推挙で英国に密航する・・・・しかし、下関戦争の報を受け取るや、そのチャンスを放擲して帰国・・・・倒幕に奔走する。しかし、語学の才能に恵まれていたのか、その後の彼の語学力は相当なものであったらしい。ドイツに学び、オーストリアに学び、勿論英国も・・・・そして、欽定憲法を作り、議会を作り、政党政治を実現した・・・・その後の人材が、その結果を台無しにしたのではあるが・・・・。
「周旋の才あり・・・」と云う、師・松陰の評価は気に入らなかったようだが、その才能を国家の為に役に建てた・・・・。

今、日本の政治の中に淀む「汚濁」・・・・小沢一郎の手法・・・・今、20年前のsceneが再現されようとしているが、その俎上に自ら乗ったのが、ほかならぬ「前原誠司」・・・・小沢一郎の誕生会の司会者として登場した時に、昨日の「代表選出馬」は、自明の事実だったのであろう・・・私は、その姿に、いいいよ、火中に総理の栗を拾うのだな・・・と、思った。勿論、私だけではないだろう。特段に自慢するものではない。

ここで、私が言いたいのは、二つ・・・・
一つは、松下政経塾とは何であったのか・・・・、松原、原口、野田・・・それらが、夫々「大樹」の陰に、己の身の安全を計って、とても、国家の為に、国民の為に「汗」を流しているとは見えないし、考えられない。主義主張を貫いて「禁門」に突入したのも松下村塾に学んだ藩士なら、それを止めんと、京都にわが身の危険を曝したのも藩士・・・・そんな構図が見えない。全て、己の立身・名声の為の行動しか取らない人物群・・・・これが、松下政経塾の面々である。
松下幸之助は、資材をはたいて、これほどまでに愚かな人材を育てようとしたのは何か・・・私にはわからない。
二つ目は、稲盛和夫なる、京セラ会長の存在・・・・有力な後援者であるとか。この御仁の思想も分からない。色々と人生論や経営論に御託を並べているが、小沢一郎・誕生会の司会者を務めることを勧めたのも、彼だと云う。権謀実数・・・現代日本マキャベリアン足らんとしたのだろうか・・・・あるいは、老人特有の認知症の症状か・・・・この京セラ会長は、若手の経営者を集めて、国家に尽くす、時代の経営者を育てていると、広言して止まない人物である。それが、高い理想を説くと見せかけて、時代遅れの政治手法に溺れる・・・前原誠司は師と仰いでいるらしいが、松陰とは似ても似つかぬ、香具師にもにた人物ではないのか・・・。

松下政経塾・卒という、豪華な冠を頂き、他の、政治にまみれた経営者とは一線を画しているかに見える、京セラ・稲盛和夫の「顔」を借りて、清潔さを見せる・・・・寧ろ、田中角栄の様な、根っからの創造的な「悪」の方が、巨額な汚職、賄賂にまみれていても、姿が明確なだけに、気持ちが良い。
西欧の倫理は、「騙さない・・・」であり、装うこと、嘘を突くことを嫌う。しかし、我々のエトスは、装うことを評価する。「あの人は・・・・が良い」と云う日常の会話の中に存在するエトスである。別の言い方をすれば、「言葉」を信じようとしないエトスと、言っても良いだろう。
地域の活動やボランティア的行事の中で、「本心・本音」を披露するれば、必ず、「あいつは難しい奴」との烙印を押されて、その場を追放される。

最近の若い人が、地域のことに口出ししないのは、そのエトスへの嫌悪なのであるが、そのエトスを正義とする認知症的老人には分からない・・・・地域の時代といわれながら、地域から活力が消えている・・・その種原因なのだが・・・。恐らく、このエトスが変わってくれば・・・必ず変わる・・・地域の力も復活すると、私は確信する・・・・私が、その時代まで生き延びたとしたら・・・数百年・・・・ガリバー描く、「死ぬ事」が願望の、長寿の国の住民になってしまうだろう・・・そうならないで済む現実に感謝しながら、200年後、500年後・・・・に期待したい。だから私は、どんなに苦しくとも、「魔法のボタン」は押さない・・・・覚悟である。

今、民主党は、「魔法のボタン」を押そうとしている。小沢イズム・・・DNAを温存するために・・・・