吾に向いて光る星あり・・・&・・・「万里一空」

「真砂なす 数なき星の 其の中に 吾に向ひて 光る星あり」。正岡子規である。中年だった頃の私が好きになった短歌・・・しかし、そのころは、色々と世の中を這いずりまわって、我が人生の中で、最も落着きのなかった頃・・・琴奨菊の、大関受諾の言葉を聞いて、多少は、我が身に自戒を強制しようとしていた頃の己を思い出した。

万里一空」・・・・いい言葉ですね。「五輪の書」にあるとか・・・気が付きませんでした。もっとも、「五輪の書」を読んだ頃は、カラオケ、麻雀、そして「酒」・・・と、毎晩忙しかったころ、このフレーズで、私の人生が変わるはずもなかった・・・。
最近の子供は、私の頃に比べると「早熟」ですから・・・このフレーズを大事に生きて欲しいと思う。琴奨菊・・・・お祖父さんの人柄も良かったのだろう・・・・孫の心を掴んだと云う意味で・・・しかし、大好きなお祖父さんの云う事だからまともに受け止め精進した琴奨菊の人柄を思います。
人生・・・色々経験をしろ!・・・・と、言うが、75歳まで生きてきて、あの道・一本で良かったのではないか・・・と、反省無きにしもあらず・・・反省、後悔しきり。

勿論、運、不運はつきもの・・・しかし、善き人が常に側に居るか、居ないか・・・それは、一つの人間的な体験の中で、自ら獲得しなければならない「徳」とも言うべきものだと思います。私とて、大切な人を避けて・・・苦言が嫌で・・・価値なき人とのお付き合いを、面白、可笑しく楽しんでいる間に、年齢が重なっていた・・・・現在が、将来になるのだと・・・それが理解出来ていなかった・・・と、云う事。今は・・・立派に生きていると、自負している。

ローマは一日にして成らず・・・・然るに、「琴奨菊」もまた、一日にして成らず・・・・育ち盛りの少年・少女諸君、その母親、父親・・・・人とは、かくも純粋である・・・・余計なお世話か!