三階建て仮設住宅・・・・・


三階建の仮設住宅・・・仮設住宅の為の「土地」がない・・・苦労する行政職員の姿が、何度もTVに登場していた頃、そのニュースを病院の待合室に観ながら、隣の席の方と、「三階建、四階建て・・とはならないのですかね」と、話題にしたことを思い出す。結論は、「急には不可能でしょうね・・・」と、お互いに納得したのだが、昨日のニュースに、その実現した「姿」を見て驚いた。

海上輸送用のコンテナーだとか・・・重ねれば、2階も難しくはないどころか、簡単である。構造は鉄骨製に近いから頑丈・・・・窓は・・・切断機で、穴(?)を開ければ、後は、内装さだけである。夏の気温対策は必要だろうが、壁の通風を工夫すれば、可なりの改善は可能だと、私は思う・・・自然通風であろうと、強制通風であろうと・・・
二階建て、三階建ての並ぶ光景は壮観だった。これまで、出現しなかったのが不思議である。

コンピュータシステム・アプリケーションの勉強を始めたころ、ある参考書に、「ハンマーを文珍(重し)に使う知恵は、人間だけのものである・・・云々」と呼んだことがある。また、「一本の杖の知恵・・・」と言うこともある。つまりは、応用の妙と言うことなのだが、「専門家、熟練職人・・・」には、案外欠けるものであると・・・とも、加えられていた。つまり、APシステムの設計条件を聞きだす時の、SEの心がけを説いたものだった。つまり、話を固定観念の中でのみ理解することの危うさのことなのである。

コンテナーを住宅に・・・時に、娑婆では珍しいことではない。ところが、「仮設住宅」と言うKWに出会うと、その体験が姿を消してしまう。人間の「妙」でもあるのだが・・・今回も、一人の建築家のアイデアであり、実行だった・・・・間取りで見る限り、今日・昨日に考えたものではなさそう。この建築家の「脳」の中で、実現の日を待っていたと、私は思う。

少なくとも、外郭は出来ているのだから、建築の日数も工数も、可なりの節約が可能だろう・・・コンテナーの再利用になれば、建設費の節減も可能になるのだろう。また、火事などの発生には、延焼の恐れも軽減されるのかも知れない。

また、発展途上国の災害現場にも有効だろう・・・建築物と違って、用が住めば、撤去も容易だし、移動もい説も用だろう・・・特に、高級マンションは林立しても、被災地の住民は露天に置き去りにされる様な文明国〜中国〜には、最も適しているのではないだろうか・・・。内装まで装備された「中古品」を使えば、政府の偉いさん達の視察の前に、救援派遣のチームでも、仮設可能だからである。

不謹慎なことかも知れないが、防水を完全にすれば、あるいは、再度津波に襲われても、水上に浮かばせる工夫も不可能ではない・・・色々と夢の広がる「仮設住宅」ではある。

この建築家・・・次は、マーケットを仮設住宅の地に造るのだと言う。四階は無理かも知れないが、三階なら中年までなら大丈夫〜特段に身体に不自由がなければ〜。仮設住宅の人口が増えれば・・・街、集落が形成されれば、マーケットの可能性も広がる。バス等の公共交通も可能になる。あるいは、病院、美容院等の開業も可能になるのではないか・・・夢を広げてくれる「仮設住宅」である。
足の弱い「高齢者」への配慮も、身体的障害を持つ方への配慮も必要である。が、一度に全てが完備しないと「不要・不可能」と云うのは、愚かなことであろう。

また、今後の「行政」の組織・運用・運営も、この様な民間の「知恵」の、日頃からの収集を考えるべきだろう。その為の「人材」の確保も必要になる。縁故採用の安全だけを確保した行政に知恵が生れるはずもない・・・仮想災害に対する「アイディア」を引き出す様な採用試験、人材探し、確保が、喫緊の課題となろう。