TPP・・・日米の優劣は・・・・

TPP・・・日米の優劣は・・・

オバマの焦り・・・良くも悪くも、4年間を努めねばならないオバマ・・・バックの出来ないクルマで走っている様なもの・・・・勿論、野田総理だって、バックはしたくないだろう・・・しかし、民主党・代表の地位が揺らがない限り・・・参加に失敗しても捲土重来のチャンスは幾らでもある。オバマの場合は、失敗は、永久追放に近いし、側近・官僚含めて失職するのだから、その恐怖は、日本の我々が想像できないものがある・・・と、私は思う。日本のメディア・論者が・・・参加の賛成・反対の立場を先にだすのではなく・・・・域間貿易の精神・思想を克明に論じて世界に発信すべきではないのか・・・・自国の総理の落ち度を探し、政府への非難だけを声高に報道する・・・戦中の、「米英撃滅・調」になってはならないが、可能な限り、国民、特に大衆の学びを促進する様な論調を、連日。新聞一面、TVのトップニュースとすべきなのだと、私は思う。

TPP参加賛成の声を封じ、「反対」の声をニュースの核心として、あたかも「反対」がエリートであるが如き、TV・新聞の扱い・・・この一週間、反対を叫び、拳を挙げる与野党の議員、そして、農業、中小企業の従事者の声と顔ばかりが目立った・・・と、私の目は語る。

関税障壁が下がる・・・輸入餌の価格が下がる・・・・加えて円高が追い風になる・・・そして、アメリカ向け輸出の牛肉の関税が撤廃されれば、これ以上のことはないと語る、若い酪農家・・・今朝は、そんな方の声を聞き、御尊顔を拝し、気持ちが良い。これらのニュースが届かない、メディアの悪しき自粛・・・・世論を間違った道に誘いかねない・・・私の危惧である。

米を心配するJA・・・・6兆円を超える、ウルグアイランドに絡む支援金は、何処に消えたのか。どれ程の効果を挙げたのか・・・・メディアも、この補助金に関わる「無為使い」を、「仕分け」よろしく、世に暴くべきではないか。決して、正義の無駄使いとは言えないだろう。

今、アメリカは悲鳴を挙げている。にんまりと笑った野田総理の表情・・・私は、オバマを憐れむ、野田総理の優しさであると読む・・・・特に、対中国については、アメリカは日本ほどには、最終的には踏み込めない立場にある。
アメリカは、イスラムからは、一定の距離が必要である・・・・内政的に。中国は、イスラエルと接近するのは難しい・・・何故なら、イスラム諸国とのコミットメントが強いから・・・その点で、日本は等距離外交であり、国民レベルでも、両者を差別する意識は皆無に近い。例え、オバマが、中国へのコミットメントを強化しようとすれば、親・イスラムの嫌う「ユダヤ」が黙っているはずがない。
現在、民主党内で、反・TPPにいる、松下政経塾の議員は、選挙区が不安定・・・・山田・前農相との接近も、保身以上のものではない・・・松下幸之助も、草葉の陰で涙していることだろう。

浜 矩子・教授は、経済のブロック化への傾斜を危惧する・・・当然である。例えば、中国を故意に排除すれば、その危険性はある。しかし、経済の実態が、国民の自由な経済活動で表現される様な国家でなければ、ブロックの中で、歪んだヘゲモニーを握る恐れなしとはしない。一部、上海の様な大都市の、住民と、僻地の住民・国民との経済格差があって、自由な発言、行動・移動も許されない・・・そんな状態で、自由な「市場」が存在するとは考え難いであろう。

加えて、経済に理念を当てて、その正当性を判断する・・・特に女性が・・・国でもあるアメリカが、すんなり、TPPに中国の参入を許すことが出来るのか・・・かつては、「禁酒法」があり、近くは「ビンラディン」を追い詰めて、テロリスト化させた、アメリカ女性の知性・理念がある。一見、非常に正論ではあるが、論理が狭隘にすぎる・・・「表現の自由」がグローバルに遥かな距離を置く中国・・・TPPの中の議論が、中国国民の耳に届くか・・・甚だ心もとない・・・つまり、市場の判断を誤らせる要因になりかねない・・・そのアメリカの、日本と中国の蓋又外交こそが、その監視を緩めてはならない要点ではないのか・・・。

国内の「反対・論理」の存在は、それほど問題ではない。時間が解決してくれるだろう・・・しかし、意味のない「反対騒動」は、世界の軽蔑を招き、外交の俎上に正当な主張を妨害することになる・・・安易に主張し、安易に妥協する・・・これも、一種のポピュリズムであろう。

日本は、アメリカに対しても中国に対しても「有利」な位置にある・・・地政学的に・・・その有利を武器に、柔軟に主張すべきを主張すれば良いのであって、「国威」、「国益」等と言う、安っぽい、卑しい論理を展開すべきではないだろう。相手が、馬鹿な主張を繰り返す時には、「だんまり・・・」が最高の武器だろう。「だんまり」の腹の中を相手に読ませる・・・読まれるのではなく・・・相手は、あせっているのだから・・・・。