「3D・TV」と云う「厄病神」・・・・・

薄型TVの売れ行きが大きく落ち込んでいるとか・・・久しぶりに訪れた大型電気店でも元気がない。加えて、リストラされたのか、ベテラン店員の、馴染みの顔が、店頭にない。パソコンを買い替えたいと思い訪れたが、甚だ対応が悪い・・・態度が悪いのではない。「商品知識」が全く備わっていない。上級店員に“つなぐ”意志さえない、呆れて店を後にした・・・・。

使っているPCの「ルビ」の文字化けと、ヘッダー、フッターの文字化けへの対応を尋ねたのだが、メールのエラーなら分かるが、ワードの不具合は分からない・・・と、さも、「私は専門性が高いのです・・・」と、言わんばかりの対応・・・怒る気持ちにもならなかった。

3Dが騒がれたいた頃、立ちよった私に、店員が近づき、私に「3D・TV」を勧めた。だが、私は、「こんな阿呆なものを買う人間の気持ちが理解できない・・・買う意志はないよ・・・!」と・・・店員は、一瞬、鼻白ろんだが、事実、当時でも・・・TV等で宣伝が盛んだったころだが・・・売れ行きは芳しくなかったようである。レンタル・3D・DVDも、それほど出ていないらしいことは、レンタル店の従業員の言葉に察していた。

そもそも、人間の目に、全ての風景が「平面」に見えているはずである。それに「遠近感」を持たせているのは、「脳」なのである。TVの画像処理が如何にあろうとも、スクリーンの平面性は如何ともし難い。3Dならずとも、人間の「脳」は、入力した映像を立体化して、我々を楽しませてくれているのであり、わざわざ、高額な、割高なTVを購入する馬鹿は、そうそう数いないだろう・・・

各TVメーカーは、何故判断を誤ったのか・・・私は不思議なのだが、マーケットリサーチの能力が低下しているのか、日頃の学習が不足しているのか・・・ゲームに熱中して、ITのリテラシーが高いと自認している様な社員ばかりが、社内でのさばっているのだろう・・・私は、その様に推察する。

売れない「3D・TV」に夢中になっている間に、庶民の「薄型・TV」への関心が薄らいだ・・・3D・TVへの失望感が、薄型TVへの購買意欲を削いだと言うべきだろう。現今の、売れ行き不振の、最大の原因である。

まさに、3D・TVは疫病神だった・・・私は、そう断ずる!

勿論、TVのコンテンツの悪さもある。芸能人が沢山出演して、面白くない馬鹿げたことに、笑い転げる。TVの視聴者が笑い転げないから、出演者が、笑い転げているのである。特に、時代劇ドラマの、大物俳優の様は、涙が出る程に悲しい。商品のCMをしたいのなら、46時中・・・商品情報だけを流しておく方が、有効ではないのかと、思う。特に、したり顔の、過去のタレントが、その良さを宣伝する姿には、「気の毒」さえ感じる。
「茶の滴」・・・せめて、登場したタレントも、一言くらいの挨拶があっても良いと思うのだが・・・「私も使っています・・・」・・・虚偽であるなら「商品法」の違反が問われるべきではないか・・・。

家電も、造って・売る・・・だけでは、存続できない時代になっているのではないか。つまり、コンテンツを含め、業界を挙げての「努力」が求められているのだろう。マンネリ化した商品を売る為に、マンネリ化したCM・・・その象徴が、薄型TVの販売低迷であろう・・・と、私は推察する。
そして、「努力」が無いから、良き人材も必要ない。育てる必要もない。カジノでの浪費が楽しみな「経営者」が現れるのもむべなるかな・・・・景気は、まだまだ低迷しそう・・・・政治の所為ではなさそう。その先頭に、3D・TVと言う「厄病神」がいたのであろう