お笑い芸人府知事のパフォーマンスか・・・・大阪・都構想・・・


市と府・・・二重行政・・・と言うのだが・・・県と市町村も同じ問題を抱えているのではないか。勿論、大幅な自治権利を有する「特別市」が、問題になるのだが、そこは、法的に連繋が定義されているのだから、大阪・都構想に、県立体育館と、市立体育館との併存の様な軽々しい問題ではないだろう。

勿論、行政職員の削減が、自治労の抵抗に遭って、橋下・前知事の公約が果たせづらい問題はあっただろうが、これほど、ポピュリズム的に議論されて、良い結果を期待できるか・・・私は疑問視する。もちろん、「結果良し」とならないと、この騒動の損失は、「大阪府民の馬鹿さの象徴」と成りかねないものでもある。

組織の怖さは、「悪」を正す手術が、更なる「悪」を生みだす結果への危うさを排除出来ない事にある。それは、明治維新政府の苦労・混乱からも、難しいものだと判断出来る。太平洋戦争を惹起したと言われる「統帥権」なども、薩長政府に「軍」を勝手にさせてはならない・・・実は、「軍」にも、山県などの薩長派閥の軍人もいたのだが、西郷無き後の、文官への「権力的恐怖」から、憲法に挿入された一条であったと言う。
しかし、この統帥権が、時代が変われば、そして、その権力が、我田引水的に利用されれば・・・結果は、ごうろうじである。

お笑いタレントとしての人気をそのままに、ポピュリズムの可能性を残している現時点だからこそ、橋下・前知事も「暴走」になったのであろう。TVに観たり聞いたりする大阪府民の声も、橋下・前知事の構想を理解しているとは言い難い。恐らく、行政の「細胞的血管」に依存している府民、市民には、相当に辛い行政が実現するのだと思う。府民、市民の甘えを許さない・・・また、その甘えに乗じて「甘い汁」を吸っている行政職員の甘えも許されないであろうが・・・弱者と言うのは、その甘えの中で、日常を過ごしているのである。

他人のこと故、細かいことには理解が働かない・・・しかし、既成政党が、これを利用して、国民への辛い政治を求めて来るのではないか・・・それは危惧して置く方が良いだろう・・・私の感想である。

恐らく、国会審議の経過は、国民には分かり難いものになり、政争の格好の材料になるのだろう・・・最終的には、府民・市民投票の結果の如何にかかるのだが・・・今日の興奮は、可なりの所「醒めて」いるだろうから、今、その結果を予想することは難しい。少なくとも、日本国民全体のissueにはなり得ない・・・道州制の議論が何時沸騰するのか・・・人口減少の現時点では予想が難しい・・・平安時代が、数百年、江戸時代が250年・・・容易には制度を変えない・・・自力では・・・民族・国民である。加えて、「政令都市」が生れて日が浅い・・・その結果が充分に検証されているとは言い難い。今、政令都市と都・府・県との軋轢が生じていて当然なのだが、政令都市の存在が不都合と言うのは、余りにも拙速に過ぎる。たまたま、お笑い芸人的・府知事が叫んだからと言って、府民・市民が、その音頭に踊るのは、自ら、子孫の為に「墓穴」を掘るに等しいのではないか。

先に、漫才師・府知事を誕生させ、大山鳴動・・・結果的には、府知事の不祥事で幕を閉じた経験を持つ大阪である。また、同じ轍を踏むのか・・・私は、民主党であれ、自民党であれ・・・「勝ち馬に乗る」の軽率な政治勢力が、「統帥権」の二の舞をしない様に祈るだけである。