今・其処にある「危機」とは・・・・


東日本大震災の復興補助金・・・797件を対象としながら、実際に使われているのは、2件だけ・・・TVの報道である。何故なのか・・・・

復旧が完了してからしか支払われない・・・自前で、復旧できるなら、補助金などを当てにすることはないだろう。しかも、地震津波の被害とあれば、長年積み立ててきた「保険」も殆ど支払われなかったのではないか。僅かな利益の中から支払って来た「法人税」は、こんな時の為の「保険」に値するのではないか。その意味の「補助金」と考えるべきであって、一地方銀行の横柄な対応で済まされるものではないだろう。

これまでの補助金政策が、殆ど詐欺被害の如くに支給されてきたことを警戒すれば、かくの如き、支給条件になるのであろうが、全てが、失われ・・・身体だけが残った事業者を対象とする補助金に、そのまま適用できるのか・・・。寧ろ、復旧を促進して、事業再開の速度を促進して、地元復旧の「力」にしていく努力がなされるべきだろう。事態が事態であるだけに、立ちあがりの失敗で、改修不能となる補助金も生じるだろうが、其処は、適切な行政指導等で、支援がなされるべきであろう。多少の「悪」が予想されたとしても、当分は目を瞑って、助けるべきを助け・・・悪質な詐欺行為は、司直の手で摘発する・・・これが、法治国家の姿ではないか。

寧ろ、法治国家が、放置国家になっている現在の、司直・行政のマナーが、厳しく問い直されるべきであろう。その一つが、詐欺・横領等の経済事犯の「刑」の甘さである。一定以上の「金額・・・1,000万円以上・・・」は、少なくとも「20年」以上の禁固刑であるべきだと、私は、思う。時折新聞、TVに散見する、再犯の状況は、短い禁固刑が、彼等の学習の為にあるような気がしてならない・・・特に「ネズミ講」が後を絶たない、「おれおれ詐欺」が、根絶出来ない・・・いや、寧ろ再犯を含めて増加の傾向にあることを鑑みれば、早急な刑法改訂が望まれるのではないか・・・。

そもそも「金融」とは、積極的な生産行為の助力になって価値のあるものである。今回の岩手銀行の如きマナーは、金融界の価値を貶めるものであり・・・かつて・・・私が少年の頃・・・「銀行マン」が、半ば「ヤクザ」的に評価された頃を想起させる。私の近くには、一人の男性が銀行に就職したが故に、「婚約解消」を言い渡されて、自殺未遂を起こしたこともあったのである。取り立ての厳しさは、現在の「サラ金」よりも厳しかったと・・・先日黄泉の人となった先輩が、常々語っていた。まだまだ、銀行の、本質としてのDNAにあるものなのだろう。時々、銀行経営の危機が話題になる時、それが、銀行自身の放漫経営によるものである・・・との認識も不足しているのであろう。客先に原因があって、銀行が倒産した例があるのか・・・私は疑う。

今回の「補助金」・・・本質的には、銀行自身の資金ではない。政府の政策としての「補助金」なのである。必要な人に、必要な時に渡る様な運用をすべきであり、政府へのサゼッションもあるべきではないか。被災地の方々の「首」を締め上げて、それで満足な毎日とは、なんと情けない銀行業ではある。

先の党首討論でも、野党党首は、その様な実態について、その解決策を討論すべきであったのではないか。野党も、与党も・・・その目で何を観察しているのか・・・・あるいは、政党政治が崩壊しているのかも知れない。
「今、其処にある危機」なのかも知れない。