12月8日・・・を、考える


12月8日・・・・

日本政府の暗号が解読されていて、真珠湾攻撃は、アメリカ政府の演出である・・・またぞろ、こんな話題が、昨夜のTVの中に流れていた。そんな可能性も無くない・・・しかし、この攻撃自体が、多少の手違いで、「不意打ち」とされるものであり、事実、日本海軍の潜航艇が5隻・・・真珠湾への侵入を予定していた。
つまり、空からの攻撃開始に合わせて、潜航艇から魚雷攻撃を行う手筈だったのである。実際に、湾内に侵入できたのは一隻だけ・・・効果的な攻撃は出来なかったらしい。そして、一隻は艇の不具合で、湾外の海岸に漂着・・・一名の搭乗員が捕虜となった・・・今次線戦争の、捕虜1号である。しかるに、軍神は9名になったのである。

問題は、湾外を警戒していた駆逐艦に撃沈されたらしい一隻である。この報告は、日本戦闘機の奇襲の、数時間前に、米海軍省に報告されている・・・その資料も残っている・・・が、何故、その報告が生かされなかったのか・・・攻撃を受けた潜航艇が、早々に沈んでしまい、その所在が確認できなかった・・・今でも、海底に眠っている・・・喧々諤々の論争はあったようだが、結局、「鯨」だろうと言うことで、落ち着いた。報告は生かされないままに葬られたのである。隠して、「トラトラトラ」の成功である。

この問題、一時は大きな問題に発展しそうだったが、真珠湾・被害の対応に追われていたこともあって、不問に付されたらしい・・・アメリカにして、この様な、犯罪の糊塗が行われたのである。軍人とは、政治家とは・・・何れの国でも、そのDNAを有していると言うことか?

戦争に勝利したから、勝てば官軍・・・と言うことでもあるのだろう。しかし、記録だけは、しっかりと保管され、公開されているところは、やはり、アメリカのお国柄と言うべきだろう。

翻って、日本政府の暗号の解読は、連合国の何れかで、部分的に行われていたらしく、開戦までの外交・極秘文章も、解読されていたことは事実である。もちろん、日本も、アメリカの外交文書の一部解読に成功していたとも言われる。しかし、一部の解読では、全体が解読できないシステム・・・これが本来の暗号の「質」でなければならないが、それには多大なコストが掛かる。ここにも、「物量」の哲学が存在するのである。

イギリス海軍の「花地図」は、最後までドイツに解読されなかった暗号の一つだと言われるが、ドイツの暗号機「エニグマ」も、解読されたのは、戦争末期である。アメリカも、フランスも、利権や施設の略奪に躍起となっている中、イギリスは、エニグマの入手に全力を挙げ、12台のエニグマを押収・略奪したと言われ、更に、これを、自らの植民地政府に譲渡したのだと言う。美談に聞こえて、なんと残酷な政策・戦略なのだろうと、驚く。

政治とは、戦略とは、如何に残酷なものであるか・・・人間性の問題などと、戦争を批判する御仁や政党には理解できないことだろう。その様な人物が育てられる軍部・軍隊組織、そして、それを容認する残酷な政府・・・しかも、民主的システムで選ばれた・・・。小さな文言に拘って大局を論じない政府の姿しかしらない我々の不幸の極みであろう。まだ、開国200年に満たない、我国である。政治的には、開発途上国との覚悟も必要だろう。200年間の戦争を体験した国家群が欧州である。数日、数か月の戦争で、厭戦気分が漂う脆弱性・・・DNA・・・では、勝負にならない。
12月8日・・・その反省の一日としたいものである・・・・。