ニュース報道のタレント化にファシズムの影・・・・

金正日死去後の外交に、関与をためらう野田政権に、メディアの批判が日に日に大きくなる感がある。自民党公明党が、私の目には沈黙を保っている様にみえるが・・・私は、沈黙・不干渉のマナーを維持してほしいと考える。

何故なら、所詮は他国の台所である。勝海舟が、朝鮮半島の問題にかこつけて、中国・清朝とことを構えようとする当時の政府に警告を発しつつ、李鴻章との連携を試みていた・・・勝海舟は、人間として愛していた西郷の最期を、改めて悼んだのではないだろうか。他国は、他国・・・勝手な干渉をするな・・・が、彼の信条だったのだから・・・。

日本人は、西郷をこよなく愛し、いまや、勝海舟を記憶する日本人も少ないと言う。私は、分厚い・・・著者は急には思い出せないが・・・その詳しい伝記(松浦 玲・筑摩書房;本文・757頁)を読みながら、西郷の虚像を観ながら、歴史を理化して来た我が身を恥じたものだった。また、海舟の、生き方を誹謗した福沢諭吉には、殆ど絶望し、韓国併合への道も、あるいは、福沢諭吉が付けたのだろうと、今は考えるに至っている・・・早稲田に学ぶ、韓国人学生の心境や如何に?。

北朝鮮・金・政権(王朝)の崩壊は、中国東北部を非常に不安定にする。言うなれば、この地は、チュモン大帝・高句麗の故地である。遺跡も多いと言う。殆ど観光地として、我々が聞かないのは、中国が、その、観光地資源としての利用に躊躇するからだろうと、私は読んでいる。つまり、ここを「高句麗・故地」とすることは、ここに住む、200万人を超えると言う、朝鮮民族の「心情」を擽り、あるいは、望郷の念を駆り立てかねないからであろう・・・近代・高句麗の出現も夢ではなくなる。
その意味では、傀儡・満州帝国を成立させた、日本軍部の浅知恵が、如何に愚かなものであったがが、明白であり、今日に、我々を不幸にしている元凶であるかに思い至る。

拉致被害者の帰国を願う気持ちに、依存を唱える気持ちはないが・・・その解決を遅らせ、今不能に陥らせている原因は何か・・・金正日は、小泉総理(当時)に騙されたと言っていたと言うが、もし、小泉総理が騙されていたら、拉致被害者が帰国できたか・・・騙された経緯が明確にされない限り、我々が納得することは出来ない。しかし、よしんば、小泉総理・・・つまり日本・・・が騙されいたとして、拉致被害者全員の帰国を、我々日本人がもろ手を挙げて喜んだのだろうか・・・との疑問は残る。恐らく、小泉総理の、政治生命は、政局の混乱の中で、消滅していただろう・・・と、思う。その時、一人でも二人でも、帰国を果たし得なかった被害者がいたら、それは、殆ど望みなしとして、国民の心情の中で、処理されてしまったのではないか・・・我々は、それ位に、政治的無責任なエートスを持つ国民であろう・・・自戒として私は思う。

それを裏返しすれば、昨今の、非干渉の政府のマナーへのメディアの非難なのであろう。ここで、金正温政権への干渉を強めよ・・・との論調が出てくれば、それはそのまま、かつての、まさに韓国併合の前夜の様相になることは必至であろう。

かつての、李王朝の衰亡と、清朝の衰亡がセットであった如くに、現代においても、中国共産党の落日と、金王朝の夢も消えようとしているのである。拉致被害者の救出を目した、政界一致。超党的外交・・・あるいは、外務大臣は「民間人」として・・・への、ドラスティックな転換も考えるべきではないのか・・・ソ連のグロムイコの様な、政権に超然とした外務大臣の存在を望みたい。

今、TBSのタレント・ニュースキャスターの報道マナーが、私には非常に危険なものに見える。あたかも、己の正議論のい如き言説を強調する・・・それに、同調する・・・時に嫌な表情が見えないでもないが・・・ゲストのマナーが、ニュースの一手一手に、悪手を重ねている如くに、私には感じられる。視聴者が考える「資源」を提供するのが、ニュースを伝える者の役割のはず・・・我々は、結論を聞かされるのは苦痛であり、己の判断を狂わせられ、付和雷同を強制されているよう・・・実はそうかも知れない・・・で、早朝から、あるいは、昼間から、嫌な気分である。

拉致被害者救出・・・超党派外交がない限り(と、言っても、社民党は外すべきかも知れないが・・・)、このまま膠着する可能性が高い・・・最も、望むべきは、政権が崩壊して、その過程で、極秘文書が押収され、公開されることであろう。しかし、それは、日本を含む関係各国の要人の秘密が暴露されることでもあり・・・公開されるのは、22世紀になったからであろう。

もっと冷静なニュース報道・・・今、若い方々の無関心が、プロパガンダ的に報じられるニュースに、国民・・・特に高齢者が・・・が、軽々しくは踊らない、踊れないことが、幸いして、政治の暴走が制御されている・・・と、私は判断する。しかし・・・

ファシズムならぬ・・・ハシズムの嵐が吹き荒れる危険をなきとはしない状況が生まれつつある。はしくも、自分達の王様に「白鳥(だったかな・・・)」を選んだ「蛙」の如き立場に我々がおかれるのかもしれない。ひとつひとつのプロセスを説明することなく、薔薇いろに見える「結果・・・未来予想」を喧伝することの危うさである・・・かつての「満州帝国・満州開拓団」の様な・・・。
政治家の、ニュースキャスターの踊りに同調してはならない・・・昨今のニュースの在り方に、私は警告を発したい!・・・おこがましいとは思うが・・・・