野田・改造内閣・・・・アラカルト・・・・


最近の内閣改造の顔ぶれは、殆ど評論の価値に値しないのだろうか・・・新聞の論調が低い。もっとも、頻繁に「世論調査」が行われるので、その「数値」に反する様な論調は記事にならないだろうし、マスコミ自身が、その世論調査に自ら手を貸しながら、その結果を信じない様子が見えて、結局、「だんまり・・・」を決め込むからだろう。

つまり、オルテガ流・西部邁流に言えば、殆ど良識も知識も持ち合わせず、感情に流されるままにいきている人間・大衆の理性を信じる様な、滑稽譚が、みえみえになっているのが現代だ・・・と、言うことになる。もし独裁者を志す人物・・・あるいは若者・・・が台頭すれば、独裁・専制国家への変身は、案外と容易なのではないだろうか・・・幸い、老人の我儘、若者の無気力、中年の無責任に、独裁・専制国家に転じる歯止めが、辛うじて生きている現状だろう。専制独裁国家が「悪い」と言っているのではない。私が、私の人生を全うする事への危惧が在るだけである。「人間万事塞翁が馬」に撤すれば、また、希望もあるが、この日本に、徹底した「専制・独裁者」を望むのは無理ではないか・・・と、考える。

何故なら、この列島の住民は、「人並み・・・」でなければ生きていけないエトスを持っているから・・・と、私は考えている。何かを語っていると、「皆は・・・」と話し始め」・・・「・・・他人の考えとの違いを心配するのが常である。つまり、「万事塞翁が馬」にはなれず、「人並み」になる苦しさが迫るのである。

原発の必要性を口にすれば・・・殺人者の如くに非難され、その「口」を封じられる。福島の原発事故も、原子炉に至るプロセスが、原子炉をしてあの事故を惹起したのだが、そのことを理解しないで「安全」を考える愚かさが、日々のニュースになり、そのことで、一つの安心を得ている現状がある。
昨夜のBSフジ・プライムニュースの、哲学者ゲストに、幼稚な女性キャスターが質問する・・・化石燃料地球温暖化が拡大する・・・と、しかし、自身の、原発嫌悪の感情は丸出しだから、自身で聴くべき「答え」がない・・・各国共に、対策を考えている・・・と、例えば「中国」。将来の化石燃料争奪の時代を予測して、現段階では、一発でも多くのミサイルを配備することに賢明である・・・との、哲学者の答え。彼女に返す言葉はなかった。
確かに、原子炉の破壊は恐怖である。しかし、その安全保持の技術は、現段階でも可なりなものであり、日々に進歩・発展をしている・・・福島の事故は、分かっている方法を、きちんと実施していない・・・言わば、安全への無関心が惹起した事故だったのである。
件の哲学者に依ると、地震学者は、なべて「原発・反対論者」だという。学問としても新しい分野出し、冷戦時代の「地下核実験」を契機に発達した学問であるが故であろう・・・と、言うことだが、世論と言う、いい加減な言説に惑わされている様では、殆ど「学問」の意味はないのではないだろうか・・・と、私は思う。

大きく脱線したが、「自説」と言うものが殆ど価値を持たないのは、私のブログに寄せられる、幾つかのコメントにも感じることが出来る。それは、平家勃興の時代から、真に「専制・独裁」に徹する支配者の台頭を、歴史の中に見ない・・・とのエトスでもあるのだろう。

改造前内閣は、小沢一郎の臭いが、一つのアクセントだった。事の善し悪しは別に、政策の何処に、その悪習が臭っているのか・・・それを探る楽しみが、マスコミと、大衆の興味となっていたのだが、今回の改造内閣では、その「味」が消えた。小沢一郎にも、一時のエネルギーがないのだろうか・・・「イエス・マン、ウーマン」だけを集めて気炎を吐いているが、一考に行動がない。野田政権が安定に見える所以でもあるだろう。

プラザ合意後の「円高」の日々を思い出す。鉄鋼6社の、各企業の「分社化」が加速され、多くの社内留保が、新しい関連企業の創生になり、定年延長が、それらの企業への出向・転籍に姿を変えた。そして、企業内の、各部所で、細かな総点検が行われ、「無駄」の徹底的な排除がなされ、幾多の能力ある人材が姿を現した。新しい知恵に「脚光」が当てられ、企業収益の改善に大きな貢献をした。巨大な「CADシステム」が、パソコンCADへの転換を促進したのも、この時期であり、私の目には、S/Wの技術者以前の、利用者側のアイデアが広範に誕生した時期でもあったと、当時を懐古している。
新潟の「燕市」の、金属食器メーカーが全滅すると、随分と騒がれたものだが・・・今は、見事に世界の「食器」を席巻している・・・・鮮やかな変身ではあった。今日の「円高」騒動でも、「つばめ・・・」の「つ」の時代も出ない。現況、不況にも円高にも、無関係な産業なのではないか・・・メディアの無知が全く報道しないのだと、私は思うが。

自民党も、小泉進次郎あたりが育ってこないと、次期総理の人材はいないだろう。今、慌てることはない。今は、まだ敗戦処理のステージだろうから、野田政権が案外に続くのかも知れない。ただし、それが民主党政権か?・・・・と、言われれば、その確証はないだろう。しかし、小沢一郎の姿は、影を薄くしていくだろう。もし、岩手の有権者に、良質の理性があり、判断力が備わっておれば、その姿が消える日も近いはずである。