権利消滅・預貯金&保険金の行方は?

2007年;100億円、2008年;350億円、2009年;330億円・・・
そして、2010年;;;607億円
・・・・・・・・・権利消滅の、郵貯・保険金の累積である。恐らく、子供たちに、況や兄弟や親族に知らせることなく亡くなった高齢者の財産なのだと、私は推察する。特に、長男の世話になっていて、嫁いだ娘や、一先ず、別世帯になった弟の家族には、長男や、長男の嫁には内緒で、こっそりと「小遣い」を渡していた、言うならば「ごうつく」な親が、、誰にも内緒で、蓄えていた、郵貯であり、保険金なのだろう。
郵便局も、平常に満期になった「保険金」は、次の保険勧誘を含めて知らせてくれる・・・と、私の体験から思う。しかし、預貯金(定期を除く)については、何の連絡もない。親が死亡したことが分かれば、銀行も郵便局も、預貯金を封鎖する・・・実は、不幸にして、葬式費用にも事欠くことがある。噂話で、嗅ぎつけられるとの話もあるが、窓口で喋らない限り大丈夫なのではないだろうか。私は、封鎖を当面避けるためにどの様な方法があるかを、窓口で相談した途端に封鎖された、苦い体験がある。傍にいて日頃の介護はしていたので、他の金融機関で間に合わせたが、戸籍謄本を取り寄せたり、兄弟の承諾得る為の書類作りも大変だった。
だから、亡くなった高齢者が、息子(長男、あるいは同居)憎し、嫁憎しの権化になっていれば、猫可愛がりの縁づいた娘や、遠くに住む子供達に知らせないままに、他界・・・と言うcaseも、まま話しに聞く。勿論、余程の手蔓がない限り、自分の親の財産の内容をしることは少ない。兄弟親族が、お金を出し合って、葬儀を行う、笑えない話も巷にはある。

607億円・・・・全てがそうではあるまいが、可なりの部分を占めるのではないか・・・私は、思う。特に、現時点で他界する高齢者は、色々と、表に出せない、多額の「おかね」を有している筈である・・・高度経済成長、バブル時代の遺産であり、悪知恵の限りを尽くして果たした「蓄財」の結果なのである。言うなれば、己の命が永遠のものだと思いこみ・・・何時かは・・・との期待の下に残した預貯金・保険の類である。「馬鹿も、ここに至れり・・・」との感想があっても可笑しくはない。
情をもって言えば、子孫、親族が名乗り出れば・・・引き出せないのか!・・・の心情もあるだろう。しかし、其処には「法」の壁が冷たく立ちはだかる。まぁ、「ごうつく」な親の犯した罪が、子に及ぶ・・・とも言えるし、親の面倒を見ようともしなかった、子供たちへの、「法」の仕打ちと言えなくもない。
日本の親(舅、姑)は、何故か長男を虐める。特に、長男の嫁は哀れである。勿論、例外もある。義母、義父にされる「嫁」は幸せであり、その相棒の息子も幸せである。しかし、そんな話は滅多にない・・・若い世代が、親との同居を嫌い、その世代が、今孤立死をしている・・・その陰で、生れた「権利喪失」の預貯金・保険金なのである。私は、そんな経験をしないで済んだので、偉そうに、かつのんびりと、こんな話を書いている・・・そう思って頂いて結構・・・。親であれ、兄弟であれ、どんなに憎くとも、虐めて「利」はない・・・。

この「おかね」・・・国庫に入るらしい・・・つまりは「接収」である。私は、この「おかね」の陰に、その生涯を苦しみの内に過した多くの「嫁」の姿をimageする一人である。可能ならば、その嫁の介護報酬であったであろう・・・全部ではなくとも・・・この「おかね」である。「介護」の質の向上の為の資金の一部にでも役立たせることは出来ないのだろうか・・・きたない「おかね」も、使いようでは「美しく」なる。沢山の、理不尽な義父、義母の仕打ちを耐えた「嫁」の為に、「嫁虐め防止基金」とでも銘打って活用して欲しいものである。