ギリシャ通貨・・・・

ロンドンの取引所に、ギリシャ通貨が姿を現した・・・・今朝の海外newsの一齣である。通貨の知識には疎いので、正確な記述は出来ないのだが、EUROからのギリシャの撤退の兆候として、私は注目したいと思うだけ・・・・ギリシャ国債をもっているわけでもないし、況や通貨を保持しているものでもない。
何でも、取引開始から、値下がりしているらしいから、まだ、ギリシャ通貨をタンス預金している方が、結構な数存在していると言う証でもあるだろう。
左派の「景気浮揚」のポピュリズムに国民が酔っている間は、健全な連立政権は不可能・・・との大統領の決断ではあるが、その左派にして、選挙公約の実行は難しい・・・再選挙で多少の損失はあっても、その発言力だけを残して、政権からは距離を置き、その影響力を残して置きたい・・・そんな、卑劣な思惑があるのだろう・・・かつての、日本の社会党と似た様なものだが、結果が裏目に出て、衰退の一途を辿ってしまった・・・しかし、せこい一派は、身体の色を少し変えて、民主党に潜り込み、民主党の異端児とtag-match・・・所詮、社会主義者の資質は喪失しているのに、何時かの夢・・・政権にしがみつく・・・を果たさんとしている。所詮、左派思想は、そんなものである。御先祖様の言葉に耳を傾けろ・・・御先祖様にも一票と与えろ・・・と、西部邁の叫びではある。
スペイン(ローマ)、ギリシャ・・・羊飼いの経済で、歴史の一時は世界を制覇した古代国家であり、古代民族である。一人の少女に、数百頭の羊の番をさせておけば、大人達は、戦争に、商売にうつつを抜かしていることが可能だったのである。羊は、羊で勝手に子どもを生み、毛皮は、その機構が、羊の身体を借りて生産できる・・・畑を耕す程の労力は全く必要ない・・・恐らく、牧草も自然のままに、繁殖している場所に、羊を移せば、事が済んだのだと思う。今、白亜の観光地と言われる地中海・・・ここは、自然破壊の博物館的地域である。中国大陸内陸部も同じ様なものだが、ここは、荒涼たる砂漠が、岩山が残るだけである・・・・。
つまり、大規模な牧羊が、この地から「緑」を絶滅させたのである・・・そして、怠惰な人間だけを残した・・・・レバノン杉を絶滅させた中東も同じ「轍」。勤勉なる、この列島の人民には縁のないethosでもあろう・・・。そうそう、お隣の朝鮮半島は、オンドルの普及で、山から「木」を、「緑」を消滅させた・・・一節には、鉄鋼生産の先進地であるが故の悲劇だと論じる歴史家もいる・・・司馬遼太郎も、その一人ではなかったか・・・。つまり、銑鉄生産のenergyは、大量の木炭(石炭・コークス出現までは・・・)であり、大量の木々が犠牲になる。日本では、植林で、その補充が可能だが、中国大陸、朝鮮半島では、難しい・・・時間を要するということだろう・・・植林に間に合わない伐採の所為なのである。しかし、ギリシャ、スペイン、あるいは中東では、民族、国家の、絶えまない大規模戦争が、その植林・育成の暇を与えなかった・・・レバノン杉の絶滅は、神話になって歴史に記されただけである。

ギリシャの重要性を指摘したのは、イギリスのチャーチルである。つまり、「鉄のカーテン」。Stalinソ連の拡大を食い止めるべく、西欧が結束して、ここに「鉄のカーテン」を、経済的に造成したのである・・・ベルリンの壁の消滅で、殆ど「死語」になっているが・・・今や、鉄のカーテンの中に閉じ込められそうな雰囲気・・・。西欧列強の軽率な判断が、昨今のギリシャの悲劇を招来しているとも言えるのではないか。
フランスでもドイツでも、右派が台頭してきている・・・第二次大戦終結から60余年・・・ベルリンの壁崩壊に次ぐ、世界の地殻変動が始まっているのだと思う。ギリシャの政治・経済改革・・・つまり牧羊経済ethosからの脱皮・・・が始まるのか、ギリシャを見捨てるのか・・・一つの決断だろうが、ギリシャに発生する避難民は、フランス、ドイツ、あるいはイギリスに流れ込むだろう。それを阻止することが可能か・・・私は不可能だと思う。ならば、ギリシャを変貌させなければならない・・・浜矩子の主張する様に、EUROと言う大枠の中で、実体経済は、「地域通貨」で運用する・・・さすれば、地域の市民の経済活動が、市民自身に見える様になり、市民生活も節操あるものとして、地域経済に安定に寄与するのではないか・・・しかし、それは刺激の少ない、ある意味、面白くもない日常を迫られることになるのだろう。が、それを、人間の知性が如何に克服するか・・・22、23世紀の世界の展望でもあるだろう。

Newsの中で、通貨の名称を聞きもらした・・・これから頻繁に聞く様になる様だと、EUROの消滅は以外に早いのかも知れない。「円」も地域通貨、「元」も地域通貨、「ドル」も、「フラン」も、いやいや「ポンド」も・・・・あるいは、「県」単位の地域通貨の存在を許せば、地域経済の活性化になるのではないか。財布の中に、幾種類もの通貨が・・・と心配する向きもあるが、「card」決済が進めば、その苦労は「とりこし苦労」と云うものだろう。

文明の発祥地・ギリシャから、新しい世界の出現が始まっている・・・と、考えるのも思白い。