ギリシャ・再選挙結果・考

ひとまず、緊縮財政・派が、第一党になることは確実。連立政権が成立し、安定して運用されるか、否かは、まだ未定。少なくとも、民主党のpopulismに踊らされた日本国民よりも、ギリシャ国民の方が健全であり、思慮深く、賢明であったと言う事が出来るだろう。「反省!」の一言を我が身に言い聞かせている・・・・。
ギリシャは、常に、ロシアに狙われる・・・鉄のカーテンも、ギリシャでなければ生れなかったのだと、私は、思うし、チャーチルの厳しい視線・観察と判断に感銘するのだが、朝鮮半島、中国大陸の政治的ethosでは考えられないことだろう。今回も、プーチン再登場の危機感が、ギリシャ国民に、賢明な投票行動を促したと言えなくもないと、私は考えている。
ドイツのメルケルが、この投票結果を受けて、冷たい声明をはっしている・・・「甘えるんじゃないよ!」とでも、言っているつもりなのだろう。しかし、ドイツが、最大の債権国であってみれば、ドイツ国内を鎮静化させる為にも、必要なことだろう。つまり、浜矩子氏が言う様に、通貨は、国境を越えても、国家主権は国家を超えられない・・・いや、越えてはならないのである。ギリシャからの移民が、大量にドイツに流れ込んでいるらしい・・・経済が好調なのはドイツだから、これは、通貨と云うものの、自然な挙動である。メルケルの脳裏には、ドイツの背後霊である、ヒットラーを目覚めさせてはならない・・・その一点に、政治の支点が掛かっているのである。
フランスにも、ドイツに負けず劣らず、ギリシャ難民が押し掛けているはずだが、この国は慢性的不況を装うのが旨い。また、働く意志を見せれば、国籍を問わず、比較的手厚い助成が得られる・・・イギリスも似た様なものだから、世界の各地から、語学研修等の名目で若者が押し掛ける・・・体制としては古い体質を継承しているはずだが、国家としては若さを持っている秘訣であろう。しかし、その手続きは厳しいと、その体験者はかたる。手続きの書類造りでも、窓口は一切の助言も説明も、手助けもしない・・・手続きに必要なフランス語は、自分の責任で身につけて来い・・・と云うのが、そのスタンス。これは、フランス人にも、同じ様に適用されると言う・・・方言への厳しい差別と言えなくもないが、国家が国家として存在する為の必要条件ではあるだろう。役場の窓口の冷たい対応に怒ったり、苦情を言うのが常の日本人には理解が難しい・・・のだ、そうだ。
学ばざる者、食うべからず・・・のフランスは、ギリシャ人には、生活し難いのかも知れない。メルケルの苦難は、当分続くのだろう。
当面、対ユーロの円高は回避できそうだが、対ドルの円高が止まるとは思えない。浜矩子氏の言う様に、1ドル=50円に向ってまっしぐらなのかも知れない。自虐的な学者、ワイドショー・commentatorの仕事は安泰・・・愚にもつかないcommentを聴かせてくれるのだろう。