消費税増税法案・衆院通過

「消費税・増税」法案が、衆議院を通過・・・民主党のpopulism議員の造反が以外に多いので、今後の行方は定かではないが、別の視点では、我々国民が、庶民なのか愚衆なのか・・リトマス試験紙を舐めさせられている・・・と、言えなくもない。街頭で、マイクを向けられた方の中に、「財政」問題を指摘して、止むを得ず!・との声もある。小沢一派が言う様な、彼等のpopulismがそのまま世論ではない・・・そんな事も感じる。勿論、私は「30%」論者だから、消費税・増税に異論はない。寧ろ、デフレの止まらない・・・今後も止まらないだろう・・・現今に於いて、給与所得者の源泉徴収を軽減して、それを「消費税」に転嫁する工夫も必要だと考える一人である。
源泉徴収とは、確実に「税」が徴収出来るsystemである。このsystemが、何時から固定化したのか、私は寡聞にしてしらないが・・・日清・日露戦争が、「土地税」の増税で可能だったことを思えば、昭和になってから普及したものではないのか・・・先進工業国でも珍しいのではないかと、私は察している。ギリシャ、イタリヤ、スペイン等の、ラテン国家で、この様な理不尽な「税・徴収」のsystemを国民が許す筈がない・・・と、思うから・・・。
そもそも「税」とは、取りやすい所から「取る」のが常套手段である。明治維新・・・新しく、「日本国民」になった大衆・・・特に農民・・・が、その実体が、期待を大きく裏切った原因は、明治政府の苛酷な課税と、その徴収のsystem、そして、統治の苛酷化にあったのであり、百姓一揆が、江戸時代に倍化して発生したことが、その証である。それを、陰で訓育するsystemが「学校教育」であり、明治政府が、その普及に力を入れた所以でもある。土地税であり、税の金納である。その影の功績が、大量に発生した「女工」に依る、織物工業であり、そこに原材料を供給する「養蚕」である。固定的に徴収できる「土地税・・・収穫に関わりなく」であり、金納と云う、安価な徴収手段が、農村社会の「娘売り」を惹起して、これが、維新後・日本の飛躍の原動力になったのである。
勿論、薩長土肥の、俄か貴族の蓄財と、その豪華な生活に浪費されたものは大きいが、しかし、先進列強の、植民地政策が、ほぼ完成を見たこの時期に、列強の仲間入りを果たせたのも、この時期の「税」に苦しんだ、新しく「国民」と呼ばれるようになった庶民・大衆の忍耐にあったというべきだろう。日清戦争直前、清朝・中国の李鴻章が、中国海軍を率いて横浜に、demonstration的な入港を行った・・・しかし、数年後に、日本海軍は、その清朝海軍を完璧なまでに破壊する海軍力を持ったのである。また、日露戦争の、日本海海戦もしかり・・・この時期、自力で建艦した軍艦は一隻もない。金納に依る「土地税」と、絹糸・産業から徴収される「税」に依って購入したものである。また、太平洋戦争に至る軍備の拡張・・・これも、軍備増強・拡張の政策を目的とした政策により支えられたものであり、また、それを支えたのが、優秀な人材を育てる学校教育であり、凡庸な人材を「農」に釘付けにし、果ては、兵士としての消耗品とするsystemに他ならなかった。「農」に人材なくんば・・・こそ、太平洋戦争、中国侵略は可能だったのだと、私は今、理解している。
イスラエルが、4次に亘る中東戦争を闘って、今は、パレスチナ問題を拡大する意思を薄くしている・・・つまり、かつての様な戦争をする意図はなさそうに見える・・・国家存亡の危機が訪れれば果敢に戦うだろうが・・・しかし、この国が、その「税」の本体を「消費税」に置く限り、新たな中東戦争は起らない・・・起らない様な外交努力が続くと、識者は語る。
戦争が始まれば、戦地の真っただ中に命を晒し、命を誰よりも先に失う・・・弾よけとして・・・のは、庶民から徴兵された「兵士」である。そして、しょして、「消費」は、ほぼ完全に失われる。戦争を資源にした税の増収は考えられない・・・常識であろう。僅かな「税の逆進性」に怯えて、戦争への危険を回避する「知恵」を失うのは悲しい。
また、消費とは、生産者、経営者の知恵で、その収入を得るものであり、消費税は、貧しきものには、貧しいなりの買物を・・・金持ちには、豊かなるが故の買物の選択肢を求めるものである。つまり、財とは、「貯めて」生きるものではない。「貯める」とは、政治的感覚の喪失を誘うものであり、自らを貧しく生きる地獄に誘うものもあるだろう。しかし、時に事故に遭遇し、病に、特に重篤な病に倒れることもある・・・そのための社会的infrastructure-systemの構築の為に「税」は必要なのである。
消費税で、消費が落ち込み、経営が成り立たなくなる・・・そんな経営者は一線を退くべきだろう。源泉徴収的・税なら、その申告を好きな様に操作できる・・・定年後訪れる「申告」の場で、時々、税を逃れようと必死に食い下がる経営者・商店主の姿に遭遇する。漏れ聞こえる会話の中に、節税という脱税の手口を語る会話を耳にする・・・消費税のsystemでは、可なり防止出来るものであると聞く・・・期待するところである。
そもそも、公平に科せられる「消費税」・・・これが、経営の不振に繋がると言う「言い分」が私にはわからない。隣りの店が、消費税を店の負担として商品を売る・・・店の収益が悪くなるだけの話ではないか・・・サラリーマンが、源泉徴収に不公平を感じる源泉ではあるのだが・・・。
中には、源泉徴収増税して、消費税を止めろ・・・と、言う乱暴なものもある。そもそも、税を納めずして生きるのは、自らを「奴隷化」することである。源泉徴収のみの税収に頼るなら、年金生活者への「年金」も、自らが積み立てた範囲の支給に限るべきであり、物価の上昇にも、医療費の上昇にも、無関係であるべきである。私自身、医療費の3割負担・・・もう直ぐ2割になるらしい・・・しているが、病院の窓口では、毎度、感謝の気持ちで医療費を支払っている。
4億円のお金が、何処からでも、何時でも入手できる人間には、福利厚生は、殆ど無関係だろう。税収が不足すれば、医療費負担を増額すればよいことだ・・・とでも考えているのだろう。勿論、小沢一郎のことである。
増税は理不尽だと言う。勝手に病気になって、医療費を国家に負担させるのも、同じ理由で「理不尽」であると、言い出すのではないか。あるいは、億円単位の買物への消費税の負担が増えることへの不満でもあるのだろう。
かつて、「貧乏人は麦を喰え・・・」と云って、椅子を失った政治家がいた。しかし、彼は、高度経済成長と云う「贈物」を国民に与えた・・・小沢一郎の4億円の、真の姿が、明確になれば、我々も麦を喰うだろう・・・「俺は、一個・数千円のメロンを喰う・・・お前達は、腐ったリンゴで我慢しろ・・・」しろと、そんな気持ちで、消費税増税への反対を標榜しているのだろう。
マハラジャで踊っていた女性達は、今、何をしているのだろう・・・非難する心算はない。景気には、これくらいの「波」があることを言いたいだけである。つまり、その世代は、前、更に前の世代の置き土産で生きているのである。仕事がふんだんにあり、収入がうなぎ登りの時代もある。しかし、仕事が激減し、収入が逓減する時代もある。どの時代に生れるか、生きるかは「運」である。その時、もっとも安定した「税収」が、「消費税」なのである。もとより、完璧な「消費税」はない。しかし、より効率的な消費税、より公平な消費税、よりやさしい消費税・・・等々、各世代が工夫しながら、各世代に消費税を発展させる・・・今、その鳥羽口に我々はあるのだと、私は思う。
ホタルは甘い水に集まる。ホタルを捕獲する意図は、ホタルを甘い汁に誘う。しかし、それが、本当に甘い汁」である保証はない・・・歴史は、その警戒を語る。君は、愚かな「ホタル」になるか・・・それとも・・・・。