フリーゲージトレインとオスプレイ

フリーゲージトレインオスプレイ・・・私は、この二つに、物理的・構造的な危うさを禁じ得ない。勿論、オスプレイに対する反発は、この様な文明論とは別の場所で騒げれていても、私の、ここでの「論」とは無関係・・・いや、オスプレイが、その運行の制約(平和時)をきちんと定め厳守するなら、寧ろ私は、フリーゲージトレインの危険の方を心配する。どちらも、物理的な合理性を犠牲にした「便利」さ、「cost」の逓減を目的にしたもので、その「機」に要求される安全性を、可なりの部分で無視していると思うからである。少なくとも、軍事的か、否かなどと云う軽薄な基準では考えたくない・・・と、私の意志であある。
鉄道のゲージの多様性は、インドの文明である。今は、人類の残した「遺産」としての評価が高いが、これ程、インドの経済発展を阻害して来たものはないだろう。イギリスも、可なりのゲージの多様性を残している国だが、これは、今や観光資源としての意味しかない。つまり、イギリスの鉄道技術は、植民地争奪戦の重要な武器だった・・・特にインドは、各地方の豪族(藩)の集税systemを奪う形で、インド内部から植民地化を推進した経緯がある。最後まで反抗した「藩王」・・・Stalinにまで支援を要請した・・・は、ビクトリア女王の膝の上で、頭をなでられながら、その人生を終えたと言う・・・随分以前に、「NHK・高校座・世界史」に学んだ記憶がある。つまり、インドの鉄道のゲージは、その地に植民した貴族の財力・意志で、そのゲージが決められたのであり、各地の特徴に適したゲージになっていると言う事なのだろう。
片や、日本のゲージは、明治・日本の実力のしからしめる所。孫文は、期待した日本の支援が得られないままに日本を去ることになるのだが、その嫌がらせに・・・「狭軌ゲージ」を、日本は必ず後悔するだろうと、云い残している。この台詞、日本の当時の技術者は、歯ぎしりしながら聞いたことであろう。プラタモリNHK)の中で紹介された、当時の日本の技術・・・現在もその技術は、そのまま現在を支えているのである。狭軌広軌か・・・実は枝葉末節、その後の、鉄道文明を支えた日本人の力こそが、歴史の評価するものであろうと、私は評価する。
かくして、満州では、一貫して「広軌ゲージ」であり、SLによる、鉄道技術の記録は、現在でも不動のものであろう。アメリカの鉄道王・ハリマンが、日本に食指を動かした理由でもあり、その後の世界史が歪んだ原因でもあるだろう・・・マルクス・エンゲルスの短絡的な経済理論が招いた世界政治の歪み・・・ロシア革命コミンテルン・・・も、小村寿太郎の偏屈さが、アメリカの力で日露戦争を終焉しながら、そのアメリカを危険視する余りの、判断の狂いが、先の大戦の悲劇を招いた。そして、もし、日本の技術が、ハリマンの財勢力と経営手腕で実現していたら、ロシアの命運も違ったものになったであろうし、清朝の衰退は避けられないとしても、中国の、その後は随分と違ったものになっていたはずである。
かくして、闘いに破れた日本は、戦後の技術の世界に、遺憾なく、その力を発揮する。YS11は、零戦の技術、そして大和の技術は、大型タンカーに結実し、日本の経済成長の大きな力になった。そして、一層の経済成長に寄与したのが、「広軌・新幹線」だった。孫文が、あの落下した「高速鉄道」の姿を目にしたら・・・と思うと、笑いがこみあげて来る。技術とは、文明であり、文明は、知識・教養の蓄積の上に、常に更新されながら、歴史を作り、未来に繋がるのである。
フリーゲージ軌道・・・問題は、操作面でのknow-howが、その生命になるだろう。守るべきruleを守り、「報告・連絡・相談」が、日常的な文化になっている日本なら大丈夫と私は思うが、「福智山線」の様な事故をなしとはしない。構造は複雑である。ある意味、物理的には、暴挙であるかもしれない、神の意志に背くものであるかも知れない。しかし、人間が、人間が守るべき約束事を、日々に精査なものに改善しながら、その運用を行うなら、一先ずは安心だろう。しかし、油断はあってはならない。また、車輪のタイヤ―の磨滅なども、簡単な機構とは違ったものになるかもしれない。点検・交換・・・多少の値上げが必要になっても、costを掛けたmaintenanceに期待したいと思う。
オスプレイ・・・こちらは、垂直上昇・降下、水平・直進飛行を完全に分離して行えば、可なりな安全を確保することは可能だろう・・・軍備としての安全として。しかし、二つの「回転翼」のbalanceには不安が残る。十分な回避行動が可能な飛行を心がければ、民政への影響は避けられる。しかし、垂直と水平飛行を同時に行う、あるいは、空中で、その飛行形態の変更を行う時の危険は、行うべきではないと、私は思う。もし行うなら、海上で、犠牲は搭乗員だけに留める条件で行うべきだろう。私には、神を冒涜する飛行だと、思うから・・・
恐らく、フリーゲージ軌道も「軍用」を、その視野にいれての事だと、私は想像する。日本国中、何処の「引き込み線」でも利用できる鉄道・・・高速鉄道と併せもてば、相当に高い軍事能力になる。勿論、オスプレイは軍事用である。横に、軍事大国を持っ国の宿命である。その大国の国民が「金」を大量に購入している・・・と、池上章の番組にあった。10年以内に、アメリカを抜いて、世界一の「金・保有国」になることを目指しているらしい。

その経済的効果を私は論じることはできないが、「金」は、危険が迫った時の保険であると言う。ならば、そろそろ「易姓革命」・・・動乱の時代が近付いたことを、中国国民が肌で感じ始めたのではないか・・・カントに倣えば、中国は、世界で最も幼稚な統治を行っている国家である。毛択東革命から、あと数十年で百年を迎える・・・そろそろ「考え時」と、国民が思っても無理はない。
オスプレイとフリーゲージで、その連想が広がり過ぎたが、妄想ではないと、私は自分を信じている。