選挙詐欺・・・目糞・鼻糞・・・誰の事!

民主党・・・まだ、小選挙区の候補者が特定できていないのだと言う。そう言えば、我が選挙区の現・民主党だった議員は、今は、「前」の冠が必要になっている筈だが、選挙事務所だった「小屋」の看板はなく、次の選挙に向けた候補者・候補の名前も掲げられていない。まだ、特定されない選挙区のひとつなのだろう。自民党の予定候補者の顔は、街の彼方此方に見る事ができる。久しぶりに、若々しい顔が、選挙に出る様で、楽しみである。
選挙と言えば思い出すことがある。中規模炭坑の街で・・・地方議会・議員選挙だったと記憶するが、候補者乱立の噂がしきりだった・・・古いボタ山の一角に、突然「掘立小屋」が現れて、候補・予定者の名前の看板が上がった。地元の子供達の耳に、聞きなれない名前だった。私も、父や母に、「誰?」と聞いたが、「何処の馬の骨か分からん!」と、つれない返事・・・見慣れない男達が、時々出入りしているが、概ね静かだった。実は、そんな建物が「危険」なのである。かどわかし、金銭強奪、拉致・監禁・・・・時には、婦女暴行等もあったのだと思うが、性知識の少ない悪童共には分からない。
そして、ある日、その小屋に、突然に警察機動隊が数人乗りつけた・・・詐欺の集団が、巣食っていたらしい・・・と、大人の会話の中に聞きとることが出来た。私も、周りの悪童も、その時初めて「詐欺」なる言葉を知ったのではないだろうか・・・懐かしい思い出である。その頃の子供達が、大人の世界の直ぐ側に、黴の様にくっついて、悪戯を繰り返していたことを物語るものもある。「こうして私は大人になった・・・」・・・私は、胸を張って云う事ができる。「家出少年」の多かった時代でもある。親の財布が“極薄”だった我家では、家出する程のお金を調達することは不可能だったので、私に「家出」の体験はない。
ともあれ、数日後に、「詐欺」なる噂話が広がり、件の小屋が、俄かに、子供達の「観光地」に変じた。そして、悪童達の訪れは、小屋の中が完全に空になるまで続いた。そして、大人達が、時々訪れては、壁板を剥ぎ、屋根を剥ぎ、窓ガラスを外し、窓枠が、姿を消した。そして、柱さえもが、亡くなり、土台だけになって・・・選挙詐欺の遺跡もなくなった。
次の総選挙は、候補者乱立になるのだろう。中都市では、それを狙った「詐欺集団」が結構蠢いているのではないだろうか。最近の選挙は、地域の顔役の影が薄く、人々が孤立している様子が伺えるから、詐欺にとっては、非常に勝利の確立の高い場所になっているのではないか。「選挙資金」の融資を持ちかけ、手付け金を払わせて、「ドロン」を決める・・・顔を知らない犯罪者程に始末の悪いものはない。

悪人と善人の判別が困難な時勢・・・個々人のliteracyが求められる。学ぶ自由、発言の自由を手にしていても、「無知」では、中国の街頭にみるdemoの集団と変わりない。それへの批判は、将に、「目糞・鼻糞」の類・・・暫くは楽しませて貰えるだろう。