EU脱出・・・英国の乱心?

英国で、EUからの脱退が議論されていると言うnews。前田洋平著・「チャーチルの亡霊」を先頃に読んだばかりなので、興味深く、続報を期待している。昨夜は、BSフジ・プライムニュースに出演していた西部邁が、昨今、盛んに議論の俎上に登る「連邦制・地方分権」について、彼らしい論調で、諸評論家とは異なる視点から、彼らしい論調で語っていた・・・私は、この論調が好きなので、この放送のabstractが、HPに載れば、それを根拠に、私なりの感想等を書いてみたいと思う。

チャーチルの亡霊」は、前世界大戦の終盤に行ったチャーチルの演説に、第一次世界大戦後のEurope世界の平和のを構想してきたクーデンホーフが共鳴してsceneから始まる。しかし、二人の構想の違いが次第に明らかになり、あるいは、クーデンホーフのチャーチル誤解が明確になり、その進捗の成果が見えないままに、アメリカのマーシャルプランにその成果を奪われる・・・この表現は正確ではないかもしれないが・・・結局、「石炭・鉄鋼・共同管理」を経て、今日のEUとなり、EUROが誕生した。しかし、英国は、ポンドに固執し、EUROには加わっていない。

昨夜の、西部邁の論調も、この事実をしっかりと受け止めろ・・・と云う、連邦制論者への警告でもあると、私は聞いた。つまり、多くすれば、遠いところは、益々遠くなり、見え難くなり・・・挙句に、「切り捨て」に繋がる。恐らく、先進Europeが、小さな自治体を残しながら、国際的には、大国としての姿を維持しつつ、教育、福祉等では、小さな自治体で、その地域の、伝統と習慣を尊重しながら、丁寧に解決して行く・・・その姿を云っているのであるが・・・番組casterには理解されていない様子だった。
因みに、浜矩子の論じる「地域貨幣」、あるいは、地方議会・・・市町村・・・の無・議員報酬、議会の夜間開催なども、この西部邁の論述から理解が容易になる・・・彼の難渋な語り口の中に、私は理化した・・・と、思っている。

クーデンホーフは、「連邦制」を構想、主張したと、該書にはある。そして、チャーチルは強硬に反対したと・・・・理由は、連邦制とは、国家主権を、連邦の頂上に設置される「政府」に預けることになる・・・チャーチル流に言えば、英国のエリザベス女王が失業することになる・・・そして、通貨統合は必須だろうから、光栄ある「ポンド」も、姿を消す。英国の栄光は雲散霧消することになる。当時のチャーチルの感覚からは、ドイツを押さえる事が最終目的なのであって、英国を含む欧州の国家が「国家主権」を失うことは、烏滸の沙汰に近いものだったのである。片や、クーデンホーフは、亡国の国家、ハプスブルグの後裔であり、「国家主権」についての認識の甘さがあったのだろう・・・この二人、湖上のボートに上で格闘して、共に水中に姿を消した。

結局、Europe再生が、ロシア・communistへの対抗であり、地球上に跋扈するcommunist国家との闘いの歴史のなかで、アメリカ主導で、ルール地方の「石炭・鉄鋼共同管理」にはじまり、ECを経て、EUが誕生し、現在ユーロに至るのである。

勤勉・勤労の北方Europeの、Protestant気質と、Catholic的、遊牧民気質の南部Europeの違いが、現在の経済的破綻であり、その対応に汗を流さざるを得ない、フランス、ドイツの現状がある。それは、スペイン・サッカー、イタリア・サッカーのstadiumの風景と、イングランドPremium leagueのstadiumの風景の差であると、私は感じている。

働き盛りの男達で溢れる、イタリア、スペイン、対して、家族的な雰囲気の溢れるイングランド・・・あるいは、勝負の結果に殺気が漂う、イタリア、スペインと、pitchの雰囲気にのみ込まれながら、選手へのplayに熱中するイングランド・・・の違いと言えば良いか。つまりは、水と油の如き、北と南・・・。英国が、EURO脱退を思う気持ちが分からないでもない。

清朝への義理だてから、開国を拒む韓国(朝鮮)をして、無理やり開国させ、併合までした、日本の失敗・・・英国は、当時の「韓国」的立場からの脱却を試みているのだろう・・・穿ち過ぎか?