選挙公約と猫いらず・・・君は、性懲りもなく「鼠」となるのか!

若い人に「猫いらず」は死語かもしれないが、私世代と、もう少し下の世代までは、一度は馴染んだ「語」である。つまり、ロシアのエルミタージュが有名だが、貴重品を鼠の害から守る為に、「猫」を飼うのは、普通の事だった。その猫がまた悪さをするので、「猫いらず」という薬を使うのだと・・・子供の頃に、古老に聞いた話である。掘立小屋で生活していた我家でも、水道はなく、数百メートル離れた井戸から、朝晩に汲んでくるのは、私の仕事だった。勿論、風呂も同様である・・・飲料・炊事の水かは、「はんどがめ・・・4斗甕とも言ったかと思う・・・」に汲み置きする・・・猫いらずを食べた「鼠」は、喉が渇くらしい・・・当人(鼠)に聞いた分けではない・・・甕の蓋がlooseになっていると、水を求めた鼠が、落ち込んで死んでいることがある。残り少なくなった、甕の底に近い水を飲もうとすると、柄杓のなかに、「鼠」の死骸を救うことがある・・・それでも、正露丸でも飲んで安心していた・・・アトピー等と言う言葉を知らない時代・・・日本人が強かった戦後の話である。

その「猫いらず」を、幼児が食べて、時に重体になり、時に死亡する事故も、度々新聞に報道もされていた。「餌=食べ物」・・・人間の生活圏、特に幼児の生活圏と鼠の生活圏は重なる。ただ、昼間の、人間の姿が多い時間帯は、鼠も遠慮して近づかないだけである。我家は、「天井」が無かったので、屋根を載せた「梁」の上を鼠が上手に走り廻っていた。つまり、わが家は、鼠と共生していたのである。だから、私も、私の兄弟・・・弟は2歳(最も危険な年頃)・・・は、鼠の「食事」に手を出す様なことはしなかった。つまり、同居人(鼠)との生活圏を、互いに犯さない様に生きていたのである。

「猫いらず」の事故が多くなったのは、「猫いらず」が「菓子化」してからだと、我が父は、知識をひけらかしていた。食べた事がないので、具体的な味は知らないのだが、少し年かさの子供に依れば、chocolateの味がするのだそうだ・・・・そして、姿・形も似ているのだとか・・・我が兄弟が、その失敗をしなかった要因の一つが、私を除けば、弟も妹も、chocolateを知らなかったからだろう・・・先日、僅かに報じられた「猫いらず・禍」のnewsに思ったことだった。

長々と書いて来たが・・・manifest、政権公約・・・特段に、国民に優しい政治公約・manifestは、「猫いらず」ではないのか・・・民主党のmanifestは、政権を担当したが為に、その「猫いらず」の実態が明らかになって、今、選挙で苦戦を強いられている。その他の、雨後の筍の様な政党、百年一日の如くに甘い言葉・公約を訴える、自称革新政党・・・「猫いらず」を真面目にばら撒く姿が、今年は、ドングリはドングリなりにmediaが扱うので、大真面目に叫んでいる。
chocolateの包装は、美味しそうなchocolateである。しかし、一口齧れば、その実体は判明する・・・そして気がつけば、「甕の中の死骸となった」・「鼠」ならぬ「己」の姿を発見することになる。一度は知った「毒」の味・・・己の一票で、その味を、もう一度味合うか・・・懲りた味を回避するか。楽しみな選挙ではある。