獅子身中の虫・・・仮相の名人とは・・・

言わずと知れた「小沢一郎」のことである。あるいは、彼の錬金術のひとつなのかも知れない。鳩山由紀夫を担ぎあげ、「金蔓」は確保したと思っていたのだろうが、案に相違して、彼が、そこまで、脳の軽い人間だとは思い至らなかったのだろう・・・彼が言葉を発する度に民主党は縮んだ。
実は、脳の軽さは、鳩山一族のDNAだと言う評論家もいる。我々世代の目に浮かぶののは、「鳩山一郎」である。ドラマでは、進駐軍に依って「首相」の座を追われた・・・それが予見できなかった彼の脳・・・「統帥権」を振りまわして・・・軍部の走狗になって、時の首相・浜口雄幸を「死」に追い込んだ。浜口首相・暗殺だと見られても、何の不思議もない。日本の命運が見えて来ると、俄かに「平和主義者」に変身・・・大政翼賛化に盾ついて、尊後の保身を画策した心算だったのだろうが、GHQが、それを見のがすわけがない・・・政界から追放された。

しかし、それでも、彼を担ぐ有象無象への資金的援助を続け、吉田政権の命運の尽きるのを待った。その時期、吉田茂認知症的になっていたのか、自家薬籠中のものと思っていたであろう、「白洲次郎」に背かれ(自ら遠ざけ?)、本来嫌いだった政界を離れた(一見は)。側近の腹黒い策士が動き・・・その一人が、先日、顔中に絆創膏を貼って記者会見に現れた大臣の父親だったと思うが・・・・後は、カネで集めた有象無象に担がれて、辛うじて「首相」の椅子を射止めた。しかし、夫人が賢かった・・・日ソ交渉に臨む夫の世話を・・・車いすだったと思うが・・・する甲斐甲斐しい姿は、今も、私の眼に残る映像である。日ソ交渉の、一先ずの成功を功績(?)に政界を引退・・・その長男が「鳩山一郎」である。母親のDNAが残っていなかったのだろうか・・・将に、不肖の長男である。

音羽御殿に集った時の、怪しい面々・・・その中には、細川護煕もあった。彼もまた、小沢の掌中に踊らされた独りである。が、そのれをきちんと悟った、元・政治家でもある。近衛文麿の様な醜態も、鳩山由紀夫の様な醜態も見せることなく、時折、newsの中に、政治とは無縁ではないその姿を見せることがある。今回・鳩山一郎の引退・・・闘う相手が強すぎた・・・との見方もあるが、私は、女房の資質なのだと思う。鳩山由紀夫・婦人・・・彼女もまた、鳩山由紀夫の名にあやかろうとする「似非政治家」でもあったのではないか・・・と、私は思う。あるいは、彼女もまた、小沢一郎の嘗中に踊っていた、踊らされていたのでは・・・気の毒に・・・ないか・・・私の同情である。

そして今回、嘉田由紀子滋賀県知事が、その嘗中に踊らされた。何人が踊るのか・・・懲りない面々ではある。煽てられ、名を汚され・・・滋賀県知事としての功績も、phase outしてしまった感があるが、滋賀県民にとっては、あるいは悔しい思いが充満しているだろう。

政党助成金も、殆ど小沢一郎の懐に収まるらしい・・・こんな錬金術もあるのだ・・・な! と驚きの一瞬でもある。

選挙法の不備も指摘されているが、具体的な改善案はまだ俎上に登らない。少なくとも、比例(重複も含めて)で当選した代議士の、政党変更は許されないものとすべきではあるだろう・・・と、主張しながら、内心に忸怩たるものを感じないではない。少なくとも、簡単に政党を変える代議士に、我々が鉄槌を下す力を有していないことへの無関心が、この様な風潮の最大の原因だと思うから・・・「しっかりせい!」と、我が身に鞭打ちたい!