北朝鮮・金正温の年頭所感・・・幻想にならないことを祈って・・・

金正温の「年頭所感」のムードが一味違う・・・「本音ではない・・・」と疑うのも強ち間違いではないだろうが、全てを否定してしまうのも、「言葉」への冒涜ではあるだろう。「嘘から出る「誠、真」と言う事もある。言葉とは、例え書き言葉であっても、全面否定するのは間違いであろう。その中に潜む僅かな「本音」を探り出す・・・良くも、悪くも・・・そして、そこから、その言葉の生みだすかもしれない、「新しい事態」を想像するのが、知恵あるものの行いだろうと、私は思う。

記事の解説も、その善意を覗かせながら、読者への迎合的・疑問を提示している・・・やんぬるかな、記事の全体が、ぼやけてしまうのが残念である・・・俺達は、どう判断すれば・・・と、問いたくなるのも止むを得ない。しかし、literacyの高い我々である。地勢的、歴史的に、今日の判断を検証するmannerを再構築する・・・必要のない人もいるだろうが・・・そこから、明日への判断をすれば要のだろう・・・私の理解である。

記事に依ると・・・「民族の和解と団結、統一」への道を進む姿勢を強調している。金正日以来のことだと言う。「未来は足下にあり・・・」との歴史家の言葉が蘇える。嫌いな相手の滅亡だけを待つだけでは、己の命の方が先に尽きるかもしれない・・・後進に危険な「爆弾」を残したままに・・・4世代世襲を考えても、先は長い・・・なにしろ、まだ生れていないのだから。「脱・世襲」も現実のものとして、この指導者は覚悟しているのではないか・・・世界の意志と一致した意志を持つ、危険な国家の指導者としての「評価」をするべきではないか・・・危険の中の希望として・・・・

もう一つは、「軍事力を全面的に強化する道に人民の安泰と幸せもある」の下り。文面を読めば、至って当然の指導者としての言葉である。我が、安部晋三も同じことを言明しているのである。左翼野党の党首が、これを否定する・・・その方が、狂気に近いのである。ただ、その「民生」とのbalanceは、その国家の歴史的、地勢的、経済的・・・諸般の事情で決まるものである。日本の統治から脱したと思ったら、ソ連の国家的略奪が行われ、当時は、スターリン傀儡の金日成の指導に、当時の貧ししい現実に絶えざるを得なかった・・・今、中国依存・・・中国共産党の傀儡と見えなくもない・・・から、脱出しない限り、この国の未来はない。この指導者の「統一」と言うことは、「北」の生存への道でしかないのだから・・・。

国債関係では、日米には触れなかったと言う。金正温の探る道は、日米の谷間にしかないのだと、私は思うし、彼自身も、その確信を持っているのだろう。「拉致」を除けば、この国が、アメリカや日本に、特段の「悪」をしているのでもない・・・「核」の保有も、「missile」の強化も、日本もアメリカも護ってくれそうもない現状で、中国に頼り・・・いつ見放されるか・・・君子豹変のロシアを信じるわけにもいかない現状で、なんとか、太平洋への、平和な道を得たい・・・中国の「尖閣列島」への魂胆とは違うものを私は感じる。
寧ろ、金正温をして、中国よりも日本を頼ってみたい・・・と、思わせる様な外交を、日本も試みるべきではないか・・・。拉致被害者の方々の「労」を評価する機運が、全く、我々に欠けていることを残念に思う。中国共産党の歴史が正しく評価される時期が来れば、中国は、「留用」の実体、事績を無視することは出来ない。しかし、その時、日本人に、その事績をきちんと評価する能力・感覚・感性があるか、否か・・・北朝鮮についても、現状北朝鮮の実態と、ソ連の奪略的戦後処理と、スターリン金日成の傀儡化を、きちんと評価して、世界に知らしめる責務が、日本の歴史家にもあるのではないか・・・

父親の一周忌を終えて、その恐怖政治から脱却し、その実体はともかく、苦しい戦後処理の中で、国民に追慕される祖父・金日成の統治styleを踏襲しようと、国民に直接呼びかける、この若き指導者への姿勢を、我々も、すくなくとも否定してはならないのではないか・・・

北朝鮮は、私の故郷・・・生れ故郷である。今は、デラシネの私。朝鮮人の若者をこよなく可愛がった父は、勝者の如きmannerで、北朝鮮訪問をする人々を嫌った・・・そして、私に遺言した。決して、そんな「神輿」には乗るな・・・と。
父の可愛がった、当時の若者・・・結果的には彼等を裏切って日本への小舟に乗ったのだが・・・の何人かは、生存しているのかも知れない。待とう・・・皆が歴史の中に埋もれるまで・・・しかし、この半島の歴史が、その栄光を取り戻す日は近いのだと・・・私は確信する。そして、老兵達は、この若い「玉」を大事に育てるだろうと・・・。