左翼の衰退と沖縄の苦悩

「沖縄の人々・・・特に政治家は、何故、あんなにアメリカを嫌い、日本政府を嫌悪するのですかね・・・」と、病院の待合室での会話・・・迂闊に返事をすると、一日中、お付き合いをしなければならなくなるので、「分かりませんね・・・」とお茶を濁すと、「貴方も同じ様に感じておられるのですね」と、追い打ち・・・「薬」が出来たと、呼び出しを機に、対話を打ち切った。

アベノミクスで、景気に変化の兆候が見られる・・・本格的な「変化」か、否か、まだ予断は出来ないが、沖縄への財政的支援が拡大すれば、また空気にも変化が見られる様になるのだろうか・・・と、我々の気分にも変化を与えているらしい。こんなブログを書いてみたいと思う事にも現れているのだろう。

私は二つのことを考える・・・
その①・・・日本は「敗戦国」であり、闘った相手は連合国であり、大東亜共栄圏なる諸国を裏切った末の敗戦であり、米軍が、日本、とりわけ沖縄に駐留することに、何らの疑義もない国々の、かつては敵であり、東アジアの今日的問題も、多分に、日本が惹起したものであるという意識は拭い得ないはずである・・・沖縄に米軍が駐留することに安心している諸国である。その証が、中国海軍に蹂躙されながら、日本との連携で中国と対峙しようと意識は生れない。そして、その汚名(敗戦国)は、もう一度闘って勝利するまで、背負っていかねばならないものである。
その②・・・有形・無形の支援で、日本は、損害賠償を果たしていると私は思う。しかし、その見返りが、日本を敗戦の焼け跡からの復興を可能にしたことは否めない・・・勿論、アメリカの「核」の傘下で可能だったのだが、それについては、己の成果を誇っても、東南アジア、朝鮮半島へのリベート的な行動で、その余慶を分かち合うことはしていない。

・・・そして、日本の左翼が、経済一辺倒で走る「保守勢力」と、反対するが如きジェスチャーで伴走したことである。労働組合が、経済復興、高度経済成長に併せて、その闘う姿勢を鈍化させ、今や、廃墟の中に残る“廃屋”の様な状態であり、今、その役割を果たすエネルギーを有しない。

東南アジアの諸国が、いまいち日本を信じない一因でもあるのだろうが、「左翼」の消滅で、日本の姿勢が、どう傾くのか判断が出来ない状況にあるのだろう。そして、多かれ少なかれ「沖縄」も例外ではない。
アベノミクスを仲井真県知事が受け入れようにも、すんなり受け入れたのでは、その椅子は、左翼でもない沖縄の基地反対勢力を説得できる筈が無い。本土に、強力な「左翼」が健在であって、政府を揺さぶるジェスチャーが、政府に“信用”を生れせしめていて、それが、その説得の端緒を生み出していたのだと、私は思う。仲井真知事も、今季が最後だろうが、現在の姿勢を最後まで貫けば、退陣後の影響力は残し得ないのではないか・・・。次期知事に、徹底的な左翼知事を迎えて、政府の経済的制裁を覚悟し、そこから、将来の再展望をする・・・それも一つの方法ではあるだろう。しかし、政府が、尖閣問題で手抜きをすれば、沖縄が再度戦場になるのは、火を見るよりも明らかだろう。もし、オスプレイが一機も配備されないとなると、米軍は半身不随・・・闘う前に撤退を余儀なくされかねない。

「地勢」も、また運命である。ロシアがもっと強力な敵対国なら、基地は北海道、東北に集中しただろうし、北朝鮮なら、石川、新潟・・・等々、あるいは、佐渡だったのかも知れない。中国が狙っているのは、日本列島の全土である。内陸が砂漠化し、チベット周辺の、一見豊かに見える土地(シングレラ)には、風土病があって、土地に馴染まない都会人、黄河流域に身体を慣らした人々は住めない。実は、中国は、狭い国土に13億の人口を抱えているのである。
北京の技術者を、山口県の青海島に案内した時、彼等は、世界に、こんな美しい所があったのか・・・こんな美しい海は初めて見た・・・と、大感激だった。習近平も、中国本土の人民の半分位を、日本列島に移住させるプロジェクトでも発足させているのではないか・・・チベットは、高原も、三江併流の地域も、風土病があって、簡単に人々を移住させられない筈である。元も、清も、中国を収めて、何の得もなかっただろう。つまり、無気力な漢民族につつき回されただけ・・・もし日本が中国大陸を氏はしていたら、同じ轍を踏んだはずである。

翻って「小沢一郎」の犯罪は、「左翼」の衰退を加速したことであり、その「左翼」を取り込んだことが、文字通り「獅子身中の虫」として、小沢の夢が砕かれたこと・・・「左翼」が「左翼」であり、二大政党の議会主義とは縁もゆかりもなかったことを、見破れなかったことである。党内左翼・・・「菅」そして「輿石」・・・そして、中国にパイプを失い、沖縄へのプレゼンスを失わしめた。勿論、安部・自民党も併せて苦しめているのが・・・。

左翼を「左翼」として育てる・・・小沢・生活党、安部・自民党との共同で辛うじて可能なのではないのか・・・そして、健全な「左翼」をコントロールしながら、ともすると燃え上がる「反米感情」をコントロールしながら、隣国・中国、与太者国家・北朝鮮への「糸」を、「赤い糸・・・縁、絆」に変える「縁の下の支え」とするべきではないか。個的な・・・政党であれ、個人であれ、・・・正義論は不毛である。善き目的も、悪きを栄養としてこそ、良き結果を期待できるというものではないのか・・・。span>