禍福あざなう・・・原発事故とロボット

これが「人間社会」なのだなぁ・・・と、思わずため息。土曜日のTBS・ニュース特集。原発廃炉に向けての作業を行う、あるいは補助すると言うべきか・・・各種のロボットの開発状況が報道されていた。
阪神淡路大震災の時も、色々なロボットが要請されたが、急には間に合わない面もあったのだろう。しかし、今回は、廃炉まで少なくとも30年・・・時間はたっぷりある。阪神淡路大震災に使われ、あるいは開発されたロボットの進化と、災害は、滅多に発生しないと言う概念を打破せざるを得ない状況もあるということで、今、その開発ピッチが上がっていると言う。

TVには幾つかのデモンストレーションが紹介されていたが、重いもの(90㎏)を乗せて、階段を上下するロボット等は、相当な武器になりそうである。あるいは、ロボット間の連携作業も可能だと言う。流石は、人間の知恵である。
また、防・被爆ロボット、防熱ロボット・・・のロボット・スーツ・・・4時間以上の作業が可能になるのだと言う。恐らく、特殊な作業の為に、この二倍の作業時間が可能になるロボット・スーツも開発されるのだろう。

「文明」とは、そこに人間の落胆と絶望と、闘争がない限り、新しい状況を克服するものであり、それが、人間の歴史でもある。「危ない!」・・・事前に事故を防止できれば、或いは満点かもしれない。しかし、この状況は、「危ない・・・事故」を隠してしまって、その後の進展阻む要因にもなる。人命を失うことなく、極限の危険を体験することが出来て、其処から新しい「文明」と生ましめる・・・理想ではある。

「危険だから、原発を永遠に捨てよ・・・」とは、未来の人々に、「絶望」の二字を突きつける様なものだ。石油に代わるエネルギーの開発が報じられている現在、このニュースの捉えて、「原発・無用」と考えてはならない。ハイドロ云々もシェールガスも、化石燃料であり、文明の拡散によって、枯渇するものであろう。究極のエネルギーは「核」なのだと、私は思う・・・つまり、文明の「素」でもあるのだから・・・。
さすれば、あるいは人類最終のエネルギーが何になるか・・・当面は「核」と考えて、これの安全なコントロール、或いは維持についての技術の確立の為の「時間」を得たとして、その間の人類の英知の普及・開発・進展が、人類の運命の鍵となることは必須。

イランは、20基を超える原発の建設を始めるらしい。福島の事故で怖気づいている日本とは対照的だが、フランスも原発の増設を意図している。ドイツも、メルケルが退けば、原発建設の促進が始まるだろうと報じられる。北朝鮮も、現・王朝が倒壊すれば、原子力発電の大幅な拡張が始まる筈である。そして、各原発は、せいぜい20年程で更新される様になるのではないか・・・さすれば、その技術も要請されることになる。最後の化石燃料が枯渇するまで、原発の構造・操業技術にも磨きがかかるだろう。幾多の改善が、創造的に行われるだろう。私は、その発信元は日本だと信じたい。
また、放射能のコントロールもまた、研究の成果として、新たなコントロールの技術・手法が発見・発明され、原発の原子炉も、その付帯設備も、より安全な存在になるだろう。

「核」を武器としてしか考えない国家では、為し得ない技術の問題である。日本の存在が。世界的に拡大し、世界の頭脳が日本に集まることになるだろう。理由は、「核」の利用が、日本列島の自然・風土を美しく保全する「力」になる・・・世界の頭脳が集まる契機ともなるだろう。その最先端が、昨今のロボット開発である・・・と、私はニュースを受け止めた。