3,800万円のオレオレ詐欺

息子から、仕事の失敗でお金が必要・・・その金額が3,800万円。どんな失敗なのかは関係ない。その電話を受けた父親が、手元にあった、3,800万円を小包にして、指定された宛先に送った。加えて、味をしめた犯人から、1,000万円の追加を要求された。流石に手元に無かったので、銀行から引き出して来るように、近くに住む娘に電話で指示したところで、その滑稽な事態に、それも娘が気が付き、警察に届けた・・・というのが事の顛末。滑稽な話だと思う。まず・・・
①自分の息子の声が聞き分けられない。
②手元に3,800万円もの「お金」を常に置いておくものなのか。

私は、この手の詐欺の真犯人が、被害者とは縁もゆかりもない詐欺集団なのか、否か・・・を疑う。つまり、声は成りすましではあっても、犯行は、被害者の縁者、家族・・・今回は息子なのではないか。つまり、慣れ合い詐欺ではないかと・・・。

最近は、この種の犯罪の報道は少ない・・・しかし、統計的には、被害が増えている。つまり、メディアも、薄々その犯罪性を疑っているのではないか・・・と、思うのだが、犯行の裏側・・・家族ではないならば、3,800万円のタンス預金を知っていた事実について、周辺の調査を真剣に行い、実体をつまびらかにして、世間への警告とすべきであろう。

詐取された、盗まれた・・・それだけを報道するのがメディアの役割ではないはず。犯罪の形から、犯罪の真の姿を割り出し、貧しい市民の余計な心配を払拭するのも、重要な役目ではあるだろう。そして、可愛い子供に詐取されても恨まないのならともかく、その可愛い子供に相続すべき財産が、不注意から、犯罪者の好餌にならない様な、対策を警察当局に要請すべきではないか・・・メディアの報道が、犯罪者の「勝率」のコンテストになりかねない現状(報道の姿勢)に疑問を呈する次第である。もし、色恋沙汰の事件と同一ならば、大きなメディアが、わざわざ報道するまでもない。警告すら必要なのだから・・・・。

先には、銀行員の制止の声も聞かず(拒否)して、数百万円を詐取された事件もあった。1,500兆円と言われる高齢者の預貯金・・・これが、隠匿されずに世の中に流通するのであれば、それは、一つの経済活性化に繋がるのだろう・・・ならば、おれおれ詐欺集団は、経済的功労者である。私がとやかく心配するに当らない・・・

しかし、中には、「サラ金」から借金して・・・という事例もあるらしいことを、悲しむものである。この場合も、極道息子が・・・と、思えば他人事ではない。メディアも事件を楽しむのではなく、自らのツールを活用して、真偽を明らかにする報道を望みたい。